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<月刊「狭山差別裁判」360号/2003年12月>

最高検の不当な証拠隠しに抗議し、証拠リスト開示を強く求めよう!
通常国会で公正な証拠開示ルール化を実現しよう!

 さる十一月二十六日、狭山弁護団は最高検と証拠開示の交渉をおこなった。弁護団は、特別抗告審でも四回にわたって東京高検の検事と証拠開示の交渉をおこなってきた。しかし、一九九九年三月に、東京高検の当時担当であった合田検事が手元に積み上げると二~三メートルもの証拠があること、証拠リストがあることを認めながら、いまもまったく開示されていない。
 今回の交渉で弁護団は、証拠リストを開示し、検察官手持ち証拠の内容を明らかにすることにしぼって求めたが、最高検の有田検事は、証拠リストについては、プライバシーに関わる、内部文書であるとの理由で開示を拒否した。最高検の見解として証拠リストは開示できないと答えたという。
 検察官は、証拠を特定して請求すれば開示を検討するというが、弁護側には、検察官がどんな証拠を持っているかわからないのであるから、特定することはできない。個別に開示請求しても、そんな証拠はないから開示できないとして終わっている。だからこそ、弁護団は証拠リストを開示し、手持ち証拠の内容をまず明らかにしてほしいと求めているのである。最高検の証拠リスト開示拒否は証拠開示の全面拒否と同じである。
 また、検察官はくりかえしプライバシーにかかわるということを開示できない理由にあげるが、現に、狭山事件でこれまでおこなわれた証拠開示によって何も問題は生じていないし、免田事件、梅田事件、日野町事件など証拠リストが開示されたほかの事件でもプライバシー侵害が問題になったこともないのである。プライバシー侵害の恐れは証拠リスト不開示の理由にはならない。むしろ、証拠隠しのごまかしと言わねばならない。
 検察庁は手元に積み上げると二、三メートルにもなる証拠を持ちながら四十年経ったいまも一切開示せず、どんな証拠があるのか、その内容さえ明らかにしないのである。市民常識としても、あまりにもおかしな話である。この不当・不正義をこれ以上許すことはできない。最高検の証拠隠しに断固抗議し、ただちに証拠リストを開示するよう求めるハガキを出そう。
 政府の司法制度改革推進本部「裁判貝制度・刑事検討会」の井上正仁座長による証拠開示制度の試案では、公判未提出証拠の開示については、弁護側が証拠を特定して開示請求し、検察官が相当と認めたとき開示するというルール化案が示されている。これでは、現状の改革にならないばかりか、検察官の窓意的な証拠不開示を法制度化する危険さえある。現に狭山事件でも証拠リストが開示されないために、膨大な証拠がありながら一切開示されない不公平な事態が続き、紛糾している。さらに、このような証拠開示制度は国際的に見ても通用しない。すでに、一九九人年の国連の規約人権委員会で、「日本では弁護側が証拠を特定して請求すれば開示命令を裁判所からとりつけることができるので証拠開示は保障されている」とした日本政府の報告にたいして、委員から「検察官がどんな証拠を持っているのか弁護側が知ることができなければ開示を求めることさえできないのではないか」と指摘されている。日本政府は来年、この勧告を受けて第五回報告書を提出するが、井上座長試案のような証拠開示制度では、国連の改善勧告に答えることにはならない。狭山事件の証拠開示を前進させ、えん罪・誤判をなくすために、証拠リスト開示を義務化し、弁護側の開示請求権を認める公正な証拠開示ルール化を司法改革で実現しよう。国会議員に公正な証拠開示立法化を訴えよう。


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