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<月刊「狭山差別裁判」366号/2004年6月>

最高裁に事実調べ求める署名運動を展開しよう
公正な証拠開示の法制化を求める運動を継続しよう

 狭山事件の再審を求める文化人の会(代表・庭山英雄弁護士)は、狭山事件の再審でまったく事実調べがおこなわれていない不当性を訴え、最高裁に公正裁判-事実調べを求める学者や文化人の署名運動を開始した。近く、最高裁に署名簿提出と要請行動をおこなう。7月には、この署名運動を大衆的にすすめるため、署名用紙もできあがる。わたしたちも、この署名のとりくみを全国で展開し、寺尾判決以来30年もの間、一度も事実調べがおこなわれていないという不当性を強く訴えるとともに、斎藤鑑定人の尋問をはじめとする事実調べを最高裁に強く求めていかなければならない。
 狭山再審弁護団は、最高裁に事実調べ、とりわけ、「2条線痕」「抹消文字」の問題を中心とした斎藤鑑定についての事実調べをせまるべく努力をつづけている。また、証拠開示を求めて、最高検、最高裁に再度交渉をせまることにしている。
 さる、5月20日、裁判員制度法とともに刑事訴訟法の改正案が参議院本会議で可決され成立した。わたしたちが求めていた公正な証拠開示のルール化には程遠い政府案が成立した。今回の改正では、検察官手持ちの公判未提出資料について、一定の類型化された証拠については、特定して開示請求があり、検察官が相当と認める場合に開示することとなっている。しかし、これでは、狭山事件のように、検察官手持ち証拠が積み上げると2~3メートルもありながら、その内容がまったく弁護側にはわからないため、特定して開示できず、結局開示されないままになってしまうことや、開示するかどうかの判断が検察官に一方的に委ねられているという問題がある。これでは公正で公平な証拠開示のルール化とはいえない。さらに、「弁護側が検察官が持つすべての証拠資料にアクセスできるように保障すべきだ」という国連の勧告にこたえたものとはいえない。すくなくとも、証拠リストを弁護側に開示し、手持ち証拠の内容を弁護側に示すルールにすべきである。国連勧告にしたがい、イギリスなどでおこなわれている証拠リストを開示し、弁護側の開示請求権を認めるルール化をすべきだという声は、司法制度改革推進本部がおこなったパブリックコメントでも多く寄せられていたし、「公正な証拠開示を求める会」の呼びかけた署名は全国から30万以上も寄せられているのである。また、裁判員制度のもとで市民が参加して公正で迅速な裁判をおこなうためにも、十分な証拠開示の弁護側への保障が不可欠だ。今回の刑訴法改正では、そうした民意が十分反映されたものとはいえない。
 民主党は、さらに証拠開示の徹底をふくむ刑訴法改正案を国会に提出していくことにしており、わたしたちは、公正な証拠開示の法制化を求める運動をさらに継続していく必要がある。きちっとした証拠開示の立法化のために政治状況を変えることもだいじであり、参議院選挙の闘いも重要である。狭山差別裁判の現実を見すえ、あらゆる冤罪・誤判を教訓にした司法改革を求めて、さらに、はばひろく運動をすすめよう。
 この間も、大分、長野で狭山住民の会が結成され、全国で124の住民の会が活動をすすめている。ルポライターの鎌田慧さんの新刊書「狭山事件、石川一雄、41年目の真実」も広く読まれている。いまこそ、狭山の真相を市民に広げ、再審勝利と冤罪をなくす司法改革をすすめよう。


月刊狭山差別裁判題字 

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