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<月刊「狭山差別裁判」372号/2004年12月>

新証拠・補充書の学習・教宣を強化し
最高裁に事実調べ求める新100万人署名を集めきろう!

 10月29日に狭山弁護団が最高裁に新証拠、補充書を提出し、年明けの1月29日で特別抗告審がまる3年を経過することを考えれば、大詰めを迎えていることは間違いないといえよう。弁護団は、最高裁が棄却決定を取り消し、事実調べをおこなうという判断をするまで、筆記能力についての新証拠や補充書をさらに提出するなど最高裁にせまりつづけることにしている。
 今回、弁護団が提出した新証拠である斎藤正勝鑑定書、奥田豊鑑定書、小畠第2意見書、斎藤実験報告書、写真撮影報告書は、いずれも狭山事件で犯人の残した証拠封筒に書かれた「少時」部分のインクが万年筆インクであるとの結論を示し、斎藤保一連鑑定の結果と一致している。特別抗告審における最大の焦点のひとつは、証拠封筒の「少時」が万年筆で書かれているということであり、これを裏付ける新証拠がつぎつぎと明らかになっているのである。わたしたちも、今回提出された新証拠や斎藤一連鑑定の学習をおこない、狭山事件の証拠封筒には犯行前から万年筆が使われており、石川さんではありえないという無実の真相をさらに広げていかなければならない。
 この12月で石川一雄さんが仮出獄してまる10年を迎える。石川さんは真実を求めて決意をあらたに今回、上申書を最高裁に提出した。われわれにとっては、石川さんが社会に出て10年も訴えながらいまだ再審の門を開くことができていないことを痛苦にとらえかえさねばならない。同時に、第2次再審では、斎藤一連鑑定をはじめ筆記能力に関する意見書など、これまでにない数多くの新証拠が弁護団の努力で提出されており、事件当初の物的証拠、すなわち脅迫状・封筒の見直しをせまる新事実が発見され、裁判所を追い込んでいることも忘れてはならない。「少時」と「様」の違いを「溶液のかかり具合」といい、脅迫状と石川さんの筆跡の違いを心理状能心の影響などとごまかさざるをえないまでに裁判所は追い込まれているのである。斎藤第5鑑定補遺が明らかにしたように、封筒に抹消文字があることは事件当時の筆跡鑑定にも書かれており、万年筆が犯行前から使われていることはもはや否定できない。裁判所は、脅迫状・封筒が本当に犯行と石川さんを結びつける物的証拠といえるのか、微底的に見直さねばならないはずである。
 また、鎌田慧さんの本が多くの人に読まれ、マスコミがとりあげることで、「字を書けなかった石川さんが脅迫状を書いたのではない」という市民常識としての真実も広がっている。
 こうした状況のもとで、攻勢的に、最高裁にこれら新証拠の事実調べ、従来からの証拠と総合的に見直すよう求めるのが、いまわたしたちが取り組んでいる新100万人署名の趣旨である。中央本部では、特別抗告から3年を迎える年明けの1月23日から2月23日までを狭山闘争・新100万人署名運動強化月間として、各地で弁護団補充書、新証拠の学習を強化し、全力で新100万署名を進めることを呼びかけている。各地で決起集会や学習会を開催し、学習・教宣活動と結びつけた署名運動を展開しよう。2月末までに100万人達成にむけて全力で署名運動にとりくもう。

新署名用紙はここからダウンロードできます(PDFファイル)


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