<月刊「狭山差別裁判」385号/2006年1月>

あらたな闘いにむけて闘争体制を強化しよう!
第3次再審で事実調べ、証拠開示をかちとろう!

 いよいよことし5月に第3次再審請求が東京高裁に申し立てられる。5月には石川一雄さんが、えん罪におとしいれられてまる43年をむかえる。長い闘いであるが、その闘いの積み重ねによって、裁判においても運動においても成果を積み重ねてきていることも確かだ。わたしたちは現地調査を呼びかけ、多くの人に現地を見てもらい、自白のおかしさや証拠のねつ造、差別捜査の実態を訴えてきた。石川さんの無実を一人でも多くの人に訴える努力と工夫をし、支援の輪を広げ、マスコミに働きかけてきたことも実を結んでいる。そのようななかでこそ、石川さんが再審請求中で仮出獄をかちとることもできた。また、狭山差別裁判の不当性を批判し、分析することで、司法のありかたを問い、とくに証拠開示について積極的に国連などでも訴えながら、改革・改善を求める運動をすすめてきた。弁護団は、石川さんの無実を明らかにするために、再現実験をおこない、専門家による科学的な鑑定を作成し、調査活動によって新証拠発掘につとめるなど、さまざまな新証拠活動をすすめてきた。弁護団の長い活動、努力によって、裁判においても前進を積み重ね、裁判所をおいつめている。
 たとえば、昨年の最高裁による特別抗告棄却決定は、脅迫状の指紋について、「手を触れたであろうところに指紋が印象されていないことも珍しくない」といった一般論で弁護側の主張をしりぞけたうえで、「自白に出ていないからといって、申立人が指紋付着を防ぐ措置を講じていなかったとも決めつけるわけにはいかない」などと、石川さんが何らかの工作をしたかのようなことまで言い出している。
 これが裁判官の予断でなくて何であろうか。石川さんの自白には「手袋などはしていない」とはっきりと述べられている。棄却決定の言い方では、石川さんが脅迫状作成から被害者宅へ届けるまで、「指紋付着を防ぐ措置を講じて」いながら、自白の中でこの部分についてウソをつきつづけたことになる。しかし、このようなウソをつく理由はまったく考えられない。
 弁護団は第2次再審請求の異議申立で元鑑識課員である斎藤保・指紋鑑定士の脅迫状作成・指紋検出実験にもとづく鑑定書を提出し、自白や確定判決のような脅迫状・封筒の作成をおこなえば、指紋が検出されたはずであることを科学的、実証的に明らかにした。棄却決定は、「実験の前提となる諸条件自体が不確定」などと暖味な言い方でしりぞけているが、脅迫状・封筒に石川さんの指紋が付着していないという事実を認めざるをえず、「指紋がつかないようにしたかもしれない」という恐るべき予断にもとづく決めつけによってごまかしているのである。明らかに「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則に反している。弁護団が積み重ねてきた新証拠によって追いつめられた裁判所のズサンかつ権力的なやりかたが棄却決定に示されている。
 この不当な権力の壁を突破していくためには、裁判所に公正・公平な証拠判断をさせなければならず、そのためにもまず事実調べをおこなわせなければならない。昨年、あいついで再審が開始された名張事件、布川事件、横浜事件でも鑑定人尋問などの事実調べや証拠開示がおこなわれていることを見れば、狭山事件のこれまでの再審請求の審理はあまりに不公平・不公正である。第3次再審請求においては、なんとしても事実調べ、証拠開示を実現しなければならない。とくに、最初の再審請求審で、東京高裁が弁護団と十分協議し、事実調べ・証拠開示をおこなうよう強く求めていかなければならない。
 狭山再審リボンバッジやイラストシンボルマークなどを活用し、あらたな闘いにむけて世論作りを地域からすすめよう!


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