<月刊「狭山差別裁判」390号/2006年6月>

第3次再審請求の学習・教宣活動を強化しよう!
新100万人署名を積極的に街頭でとりくもう!

 弁護団が第3次再審請求で提出した新証拠のひとつは筆記能力に関する2通の意見書である。これらの意見書は識字という観点から、石川さんが脅迫状を書いたのではないことを明らかにしている。
 そもそも筆跡というものは一定の書字経験のうえに筆跡個性があらわれてくるものであるから、筆跡鑑定においては筆記能力の分析が不可欠なはずである。
 弁護団は一貫して、石川さんの筆記能力、国語能力からみても、石川さんが脅迫状を書いたとすることに合理的疑いがあると主張してきた。脅迫状と石川さんの書いたものでは筆記能力に明らかな違いがあるという多くの専門家の鑑定書も提出されている。たとえば、大野晋・学習院大学名誉教授は、脅迫状には「し」や「で」などかんたんな平仮名で書けるところに「知」「死」や「出」などの当て字を意図的に書いているが、漢字もあまり知らなかった石川さんがこのような作為的な当て字をすることは考えられないと指摘する。また、脅迫状には句読点や改行があり、強調部分を大きく書き、1枚の紙に余白無くピッタリと文章を収めていることやすべて命令形で終わっていることなどは、脅迫状の筆者が文章構成能力を持っていることを示している。
 第2次再審で提出された内山・熊谷意見書では、識字学級生が脅迫状を聞き書きしたものと石川さんの書いたものに共通する誤字や用字・用語の誤りを指摘し、石川さんが非識字者であり、脅迫状を書いていないことを明らかにしている。最高裁はこの意見書についてまったく触れておらず、弁護団は第3次再審請求で再度提出している。
 さらに今回、第3次再審請求にあたって作成・提出された川向・加藤意見書は、実践的にも識字運動に関わり、また、教育実態調査などで教育実態とその原因について調査・研究してきた川向さん、加藤さんが、非識字者の実態という観点から、石川さんと脅迫状の漢字使用状況や誤字などの違い、文章構成力の違いなどを分析し、石川さんが脅迫状を書いたとは考えられないことを明らかにしている。
 識字運動の歴史やいまも全国で活動が続けられている非識字者の実態を裁判所は理解しなければならないと指摘している。最高裁の特別抗告棄却決定は、「義務教育で十分な国語教育を受けていない」としながら、「社会的経験、生活上の必要と知的興味、関心等から、不十分ながらも漢字の読み書きなどを学習し、ある程度の国語的知識を集積していた」として脅迫状程度は書けたと決めつけているが、川向・加藤意見書が指摘する非識字者の実態、石川さんの書いた文書の具体的な漢字使用状況や誤字の現れ方を見ればこうした裁判所の判断の誤りは明らかであろう。
 こうした第3次再審請求の弁護団の主張、新証拠の内容について学習し、広く宣伝することが必要だ。第3次再審請求書や狭山パンフなどを活用し、学習・教宣活動を強化しよう。
 当面10.31まで事実調べ・再審開始を求める新100万人署名を全力で集めることに集中しよう。署名運動をとおして市民に石川さんの無実と再審を訴えることが重要だ。庭山弁護士や鎌田さんら狭山事件の再審を求める市民の会では、街頭での署名活動もおこない、市民にアピールしていくことを呼びかけている。全国各地で街頭署名活動を積極的に実施しよう。各地で市民集会や報告集会をひらき、全力で署名を集めよう!
 「43年目の新証拠で判明!狭山事件最大の証拠=犯人の残した脅迫状は石川さんが書いたものではない!」をアピールし、新100万人署名に全力で取り組もう!


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