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<月刊「狭山差別裁判」401号/2007年5月>

東京高裁は事実調べ・再審を求める100万人の声を聞け!
署名運動を継続し、さらに世論を大きくしよう!

2006年5月の第3次再審請求を受けて、何としても事実調べ・再審を実現しようと、8月から狭山事件の事実調べを求める新100万人署名運動が始められた。狭山事件の再審を求める市民の会(庭山代表、鎌田事務局長)を中心に各界の著名人36人が呼びかけ人となって、東京高裁第4刑事部に公正な裁判、事実調べ・再審開始を求めるものである。全国各地、各団体で署名運動がすすめられ、2007年3月には90万筆を突破、石川さんが不当に逮捕され、えん罪におとしいれられて44年をむかえた2007年5月23日に、ついに100万筆を突破した。北海道、東北から沖縄まで全国から署名が寄せられた。IMADR(反差別国際運動)がたちあげたホームページには全世界から署名も寄せられた。わずか半年あまりという短期間に署名が100万人を超えたことは、石川さんの無実を確信する人たち、公正・公平に事実調べをおこない再審を開くべきだという声、反差別・人権を求める世論の広がりを示すものである。
  今回の署名活動では積極的に街頭での宣伝・署名活動もおこなわれ、より多くの人々に狭山の真相と石川さんの無実を伝えるようとりくまれた。また、2007年には、志布志事件の無罪判決、氷見えん罪事件の発覚と再審無罪をはじめ、あいついで「えん罪」「無罪」が報じられたことや周防監督の映画「それでもボクはやってない」のヒットと、えん罪と日本の司法の現実が大きくマスコミなどにもとりあげられたことも積極的に結びつけて集会や署名がとりくまれた。さまざまな市民団体や共闘団体の集会でも署名活動を展開したところもあり、狭山支援の輪を広げることにもつながった。
  ちょうど再審請求1年目の2007年5月23日、狭山事件の第3次再審請求を審理する東京高裁第4刑事部の裁判長が交代し、門野博・裁判長があらたに就任した。門野裁判長は、元名古屋高裁の裁判官で名張事件の再審開始を取り消し、棄却した裁判官である。5月23日の集会で100万の署名は門野裁判長あてに提出された。弁護団は第3次再審申立と2007年3月の2回にわたって、筆跡鑑定、法医学鑑定などの新証拠を提出し、さらに今後も新証拠を積み重ねて門野裁判長に事実調べを求めていくとしている。100万人の署名という市民の声は弁護団にとっても石川さんにとっても大きな力となっている。
  狭山事件では、確定判決以来33年、再審請求30年間に一度も鑑定人尋問や現場検証などの事実調べがおこなわれていない。くりかえし指摘されるが、狭山弁護団が多くの重要な新証拠を出しているにもかかわらず、30年以上もまったく事実調べがおこなわれていないことは不当・異常な事態である。
  東京高裁第4刑事部の門野裁判長は、狭山事件の再審を求める100万人の市民の声を真摯に受けとめ、鑑定人尋問、現場検証や証人調べをおこなうべきである。
  わたしたちは、100万人署名達成をバネにして、さらに署名運動を継続し、狭山事件の真相とえん罪をなくすための司法民主化を市民に訴えていかなければならない。門野裁判長による審理はこれからが正念場である。民主党が参議院で提出した取り調べの可視化を求める法律案の審議もこれからであり、えん罪をなくすための司法改革を具体的に実現できるかどうかも、これからの市民の声、大衆的な闘いにかかっているのである。そのためにも、目標に達しなかったところは早急に署名運動を強化し、また、署名達成と今後の課題を確認する報告集会をきめこまかく開催してほしい。100万の市民の声を力に具体的に闘いの前進と勝利をかちとろう!


月刊狭山差別裁判題字

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