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<月刊「狭山差別裁判」404号/2007年8月>

取調べ可視化法案の参議院での可決の意義をふまえ
公正な裁判を実現する司法民主化の声をさらに大きくしよう!

 狭山弁護団はこの間あいついで新証拠を提出した。2008年5月23日には、関西医科大学の赤根敦教授による鑑定書を提出した。赤根鑑定は、第2次再審の特別抗告棄却決定が根拠にした石山鑑定の誤りを指摘し、死因は絞殺であること、逆さ吊りがなかったことを明らかにした法医学鑑定である。殺害方法や死体を運んで芋穴に一時隠したといった犯行自白の中枢部分が虚偽であることを示す新証拠であるといえる。
  1974年10月31日、東京高裁の寺尾裁判長は警察の筆跡鑑定などの証拠をあげ、石川さんの自白は信用できるとして無期懲役判決をおこなった。これが有罪確定判決となっている。赤根鑑定など弁護側が第3次再審請求で出した新証拠は、寺尾判決が有罪証拠の主軸とした警察の筆跡鑑定や死体鑑定などが完全に証明力を失っていることを示している。また自白も、殺害方法、犯行現場、死体逆さ吊り、脅迫状作成など中心部分が虚偽であることが数々の新証拠によって明らかになっている。
  寺尾判決がズサンな証拠と「自白」にたよって誤った有罪判決をおこなったことは明らかである。確定判決の認定に合理的疑いが生じている。東京高裁はただちに再審を開始すべきである。
  第3次再審請求を申し立てて2年あまりの間、弁護団は多くの新証拠を提出し、さる9月11日には狭山事件の審理を担当する東京高裁第4刑事部の門野裁判長と面会し、事実調べ、証拠開示を強く求めた。
  寺尾判決から34年が経過するが、その間、弁護団が提出した新証拠の事実調べはまったくおこなわれていない。30年以上にわたる再審請求で一度もまだ事実調べがおこなわれていないのである。
  2007年、あいついで無罪判決が出された鹿児島・志布志事件、富山・氷見事件では、警察の取調べでウソの自白をさせられたことが明らかになった。こうした自白強要やズサンな証拠による誤判は狭山事件とまったく同じである。自白の虚偽を見抜けず安易に自白にたより、十分な証拠調べをせず、証拠隠しがおこなわれることによって誤判がおきることをきびしく教訓にしなければならない。そして、志布志、氷見事件の教訓をふまえて、東京高裁・門野裁判長は狭山事件の再審請求において一日も早く弁護側提出の証拠についての事実調べをおこない、検察官の隠し持つ証拠の開示を命令するべきである。
  無実の人を誤判から救済するという再審の理念からしても鑑定人の尋問など事実調べは不可欠である。先般、東京高裁第4刑事部・門野裁判長が再審開始決定をおこなった布川事件の審理では、法医学者の鑑定人尋問などの事実調べがおこなわれている。また、門野裁判長は昨年には、警察官の取調べメモを証拠開示するよう命じる決定も出している。狭山事件においても弁護団が求めている事実調べ、証拠開示をおこなうべきである。
  門野裁判長が事実調べ、証拠開示をおこなうかどうか、今後、重要なヤマ場をむかえる。第3次再審請求において今度こそ事実調べをおこなうよう世論をさらに大きくしていこう。
  弁護団が提出した新証拠の学習を強化し、狭山事件の真相、石川一雄さんの無実、寺尾判決の誤り、事実調べ・再審開始の実現を取調べ可視化や証拠開示の法制化とともに訴えよう。
  この間、100万人を超える署名の提出、北海道や東北での狭山集会など狭山事件の再審と司法民主化を求める運動は広がっている。この市民の声をさらに大きくし、第3次再審で再審実現をかちとろう!


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