<月刊「狭山差別裁判」406号/2007年10月>

氷見・志布志えん罪事件の教訓をふまえ刑事司法の改革を!
えん罪の真相・責任を問う国賠裁判を支援しよう!

 2002年に富山県氷見市でおきた2件の強姦事件、強姦未遂事件の犯人とされ、有罪判決を受けて2年あまりも服役を余儀なくされた柳原浩さんがいま警察や検察の責任、違法行為を問う国家賠償請求訴訟を準備している。
  2002年2月の県議選で選挙違反の容疑で起訴され、4年近くの裁判を経て2007年2月に鹿児島地裁で無罪判決をかちとった鹿児島(志布志) 選挙違反でっちあげ事件の市民13人も県と国を相手取った国賠裁判をおこしている。この志布志事件では、取り調べ中に親や孫の名前を書いた紙を踏ませて自白をせまる「踏み字」がおこなわれ、人権を無視した取り調べをされた川畑幸夫さんが国賠訴訟をおこして勝訴している。
  これらのえん罪事件では、人権無視の取り調べが虚偽の自白を生んだとして問題となった。「任意同行」と称して警察で長時間の取り調べをおこない精神的に追い込み、自白をせまるやり方や、長期に代用監獄に身柄を拘束し、自白しなければ釈放しないという「人質司法」も問題となった。また、検察の証拠隠しや自白に依存して十分な証拠調べをしない裁判所の姿勢、弁護士の責任も問題となったことは記憶に新しい。
  狭山事件で警察、検察が石川さんに対しておこなったと同じ取り調べが現在もおこなわれ、虚偽の自白によるえん罪を引き起こしていることが浮き彫りになった。
  富山冤罪事件の柳原さんは、突然、仕事場に現れた警察に連れ去られ取り調べを受けたという。密室のきびしい取り調べで「兄弟はどうにでもしてくれといっている」などと警察にだまされウソの自白を強要された。その自白を、十分に証拠を調べることもせず、うのみにした裁判所の間違った有罪判決によって刑務所に服役を余儀なくされた。柳原さんは、「なぜ自分がこのような目にあわねばならなかったのか」と訴える。警察の捜査の誤り、偏見、不当な捜査、人権を無視した取り調べの真相と責任を明らかにしてはしいというのだ。無実の罪で3年近くも身柄を拘束され、仕事を奪われ生活を破壊された柳原さんが、えん罪の責任を問うのは当然であろう。
  国賠裁判の闘いは、えん罪を生む原因を明らかにし、2度と同じようなえん罪を作らない闘いであり、私たち市民一人ひとりに問われている問題である。とくに、私たちは狭山の闘いの中で、石川さんの再審無罪をかちとるとともに、えん罪を生み出した差別をなくし、人権軽視の社会を変え、司法の民主化を実現することを訴えてきた。
  1963年の狭山事件と同じ不当な捜査、取り調べ、えん罪の構造が40年を経たいまも続いていることは、こうしたえん罪を生み出した司法が何も反省せず、改革・改善されなかったことをしめしている。
  わたしたちは、さまざまなえん罪との闘い、柳原さんや志布志の人たちの国賠の闘いに連帯していくことが重要だ。狭山第3次再審の闘い、司法民主化の闘いと結びつけて、氷見、志布志の国賠裁判支援の輪をひろげよう!


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