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<月刊「狭山差別裁判」409号/2009年04月>

東京高裁・門野裁判長は新証拠の事実調べをおこなえ!
裁判員制度開始にあたって狭山再審とえん罪防止を訴えよう!

 狭山弁護団はこの5月22日に新証拠を提出することを決めた。元警察鑑識課員である斎藤保・鑑定人による脅迫状に関わる鑑定書などである。これらの新証拠は、脅迫状が石川さんの無実をしめしていること、自白が真実ではないことを明らかにするものである。
  弁護団は第3次再審請求ですでにこれまで、あらたな筆跡鑑定書を3通、殺害方法、死体処理の自白が真実ではないことを示す法医学者による鑑定書2通、目撃証言と犯人の声の識別に関する心理学者の鑑定書2通など、専門家による鑑定書を多数提出している。筆跡鑑定書だけでも確定判決となっている2審・寺尾判決以降に20通以上も出されている。しかし、34年以上まったく事実調べがおこなわれていない。
  昨年7月に再審開始決定が東京高裁で出された布川事件においても、水戸地裁土浦支部での再審請求の審理で、法医学者などの鑑定人尋問がおこなわれた。さらに、東京高裁第4刑事部での即時抗告審でも、法医学者の鑑定人尋問、自白テープの改ざんを鑑定した音響工学者などの証人尋問がおこなわれている。また、東京高裁で即時抗告の審理がおこなわれている足利事件では、弁護側の要求をいれてDNA型の再鑑定が現在おこなわれている。
  狭山事件の再審請求で30年以上、一度も事実調べがおこなわれていないことは、きわめて不当、不公平といわざるをえない。
  弁護団が提出した新証拠によって、石川さんの無実が明らかであり、確定判決に疑問が生じていることはだれが見ても明らかである。だからこそ、全国から100万人以上の事実調べ・再審を求める署名が東京高裁に提出されているのである。
  東京高裁第4刑事部の門野博・裁判長は一日も早く、鑑定人の尋問などの事実調べをおこなうべきである。
  5月21日の裁判員制度開始の日は、石川さんが46年前にえん罪におとしいれられた節目でもある。裁判員制度の開始にあたって、刑事裁判の目的がえん罪を作らないことであることを確認、徹底しなければならない。富山・氷見事件では自白調書に依存した捜査、十分な証拠調べもしない裁判によって、誤判が引き起こされた。誤判・えん罪を生まないために、十分な証拠調べと証拠開示の保障が不可欠である。
  狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会では、この節目にあわせて、狭山事件の真相、事実調べ――再審開始とともに、「えん罪なくせ!再審ひらけ!」を訴えて、5月22日、正午から都内でターミナル情宣をおこなうとともに、その後、代々木公園に集合して市民集会を開催し、弁護団の新証拠提出の報告を受けることにしている。全国各地でも、狭山第3次再審における事実調べ、証拠開示の保障と再審開始を訴え、取調べ全面可視化法案の早期成立、司法民主化をアピールしよう!狭山再審とえん罪防止を訴えよう!


月刊狭山差別裁判題字

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