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<月刊「狭山差別裁判」411号/2009年06月>

東京高検は狭山事件の証拠開示をおこなえ!
三者協議ふまえ証拠開示・事実調べ求める闘いを強化しよう!

 9月10日、東京高裁において、狭山事件の第3次再審請求の三者協議がおこなわれた。弁護側からは中山主任弁護人、中北事務局長をはじめ13人の弁護人が出席し、東京高裁の門野裁判長、東京高検の担当検事らと協議がおこなわれた。その結果、弁護側の証拠開示請求にたいする検察官の回答を10月末までに提出するよう裁判所は求め、これをふまえて、年内に再度、三者協議をもつことが確認された。
  狭山事件の再審請求においては、こうしたかたちでの実質的な三者協議ははじめてであり、まずは証拠開示について具体的に協議された意義は大きい。狭山弁護団は、第3次再審請求で東京高検にたいして証拠開示請求をおこなったが証拠開示には応じられなかった。弁護団は東京高裁にたいして2008年5月、証拠開示勧告申立書を提出、今回の三者協議にむけて、さる8月17日付けで追加分の証拠開示勧告申立もおこなっていた。
  東京高裁の門野裁判長はこれらの開示請求に対して、証拠があるかないかもふくめて検察官側の回答・意見を求めたのである。今後、検察官の回答と東京高裁の対応が注目される。
  弁護側は、筆跡や足跡などにかかわる証拠、鞄、万年筆、時計などの捜査に関わる証拠、さらには自白にかかわる証拠などについて、存在する根拠も示すとともに、その必要性を明らかにして証拠の開示を求めている。開示請求されている証拠は、弁護側がこれまで提出してきた新証拠に関連するものであり、新証拠として再審開始理由を補強する可能性のあるものだからである。東京高検は誠実・公正に証拠の存在を調査し、きちんと回答しなければならない。そのうえで、東京高裁の門野裁判長には、検察官に証拠開示を勧告するよう求めたい。
  狭山事件の再審請求はすでに32年以上が経過しているが、一度も弁護側が求めた事実調べがおこなわれていない。1988年の芋穴のルミノール反応検査報告書の開示以来、この20年あまり、ほう大な証拠が検察官の手元にありながらそれらの証拠開示がおこなわれていないのである。
  再審制度の趣旨は「無辜の救済」(無実の人を誤判から救済すること)であり、しかも、再審請求は新証拠を提出することを再審開始の要件としているのであるから、公正・公平な再審請求の審理を保障するために証拠開示は不可欠なのである。
  布川事件では開示された証拠が再審開始の新証拠になった。足利事件では、DNA鑑定の再鑑定によって菅家さんの無実が判明し再審が開始された。狭山事件をはじめ個々の再審請求中の事件についても、証拠開示や事実調べを保障するべきである。そして、再審請求において弁護側が証拠開示を受ける権利の保障や弁護側が提出した新証拠の事実調べをおこなうことの保障など、再審請求の審理の手続きが早急に整備されるべきである。
  新政権のもとで、冤罪・誤判を防止し、誤判からの無実の人をすみやかに救済するための司法改革が期待される。わたしたちは、志布志、氷見、足利を教訓にした司法民主化を求めて、冤罪被害者を中心にした幅広い運動をすすめなければならない。


月刊狭山差別裁判題字 

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