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<月刊「狭山差別裁判」418号/2010年01月>

東京高検は弁護側の要求にたいして
「不見当」でごまかさず誠実にこたえるべきである!

 2009年12月の東京高裁による証拠開示の勧告から1年になろうとしている。2010年5月の三者協議で、東京高検は36点の証拠を開示したが、「殺害現場とされる雑木林の血痕検査にかかわる捜査報告書等一切」「雑木林を撮影した8ミリフイルム」「未開示の死体写真」については「不見当」として、いまだに開示していない。「8ミリフィルム」は、当時の警察の実況見分報告書に「撮影した」と書かれ、新聞報道でも「ロケさながら」などと報じられているものである。また、血痕検査報告書も当時の鑑識課員がおこなったと証言しているものであり、「不見当」(見当たらない)ではすまされない。犯行現場とされる雑木林の見通しを明らかにする8ミリフィルムは、隣接する畑にいた0さんの「悲鳴も人影もなかった」という証言をさらに裏付けるし、殺害現場に血痕がなかったことは、殺害現場の自白、ひいては自白全体が架空である疑いをさらに強くする。犯行現場という自白の核心の信用性にかかわる重要な証拠が開示されないままではすまされない。
  狭山弁護団は、8月27日付けで意見書を提出し、「不見当」とされた「殺害現場における血痕検査報告書」「8ミリフィルム」等について、どのような書類や捜査関係者を調査して「不見当」としているのかについて、釈明を求めている。また、事件当時の捜査日誌や捜査指揮簿などの関連する証拠の開示も求めている。また、関連して、自白前後の犯行現場特定に関わる捜査書類一切の証拠開示や当時押収された石川さんの着衣の血痕検査結果についての報告書の証拠開示などを求めている。当然の要求である。自供後に、殺害現場の裏付け捜査をやらなかったとは考えられない。殺害現場のルミノール反応検査をやらなかったというなら、犯行現場を裏付ける捜査がどのようにおこなわれたか当時の捜査資料を明らかにする必要がある。
  こうした弁護側の意見書、要請書にたいして、東京高検は、12月に予定されている第5回三者協議で、誠実、真撃にこたえるべきである。また、三者協議を主催する東京高裁は、公正・公平な審理を保障し、開示勧告と事実調べを積極的にすすめ、真実発見につとめるべきである。
  また、弁護団は近く東京高裁に新証拠を提出する。これは、ことし5月に開示された資料にもとづく新たな鑑定書である。証拠開示によって、あらたな無実の証拠が発見されたのである。再審請求において証拠開示がいかに重要か、あらためて確認する必要がある。同時に47年もの間、こうした重要な証拠を警察、検察が隠していたことに強い疑問と怒りを感じざるをえない。
  東京高裁は、弁護団提出の新証拠を総合的に評価するべく、鑑定人尋問などの事実調べをすみやかにおこなうべきである。また、このような新証拠になる可能性のある重要な証拠がまだ隠されていることをふまえ、さらなる証拠開示勧告をおこなうべきである。


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