<月刊「狭山差別裁判」421号/2010年04月>

「犯行現場」自白と捜査の疑問はさらに深まっている!
徹底した証拠開示と事実調べが必要だ!

 2011年3月23日に、第3次再審請求の6回目の三者協議がおこなわれ、検察官から「犯行現場」の血痕検査にかかわって、あらたに3点の証拠開示がおこなわれた。
  裁判所の開示勧告に対して、2010年5月に検察官は36点の証拠開示をおこなったものの、犯行現場の血痕検査報告書等については「不見当」と回答した。弁護団は、この回答に対して、どのような調査をおこなったのか釈明を求めていた。2011年2月には、自白で死体を一時隠した場所となっている芋穴の血痕検査を実際におこなった当時の埼玉県警鑑識課員に弁護団が聞き取りをおこなった際のテープ反訳も提出し、雑木林におけるルミノール反応検査がおこなわれたはずであるとあらためて回答を求めていた。
  この日の協議で、東京高検の検察官は、この元鑑識課員に検察官が事情聴取した報告書を3通開示するとともに、殺害現場におけるルミノール反応検査はおこなわれなかったとする回答をくりかえした。しかし、開示された検察官の報告書においても元鑑識課員が雑木林内でルミノール反応検査をおこなったと述べたとするものもあり、さらに疑問は深まったといえる。
  そもそも、単独犯行自白が始まる6月23日以降、殺害現場が雑木林であるという自白は一貫しており、それにもかかわらず、7月4日の雑木林等の実況見分まで、「犯行現場」の裏付け捜査の書類が何も明らかになっていないということも疑問である。
  検察官は、さらに関連する証拠開示を積極的におこない、この間の捜査経過を明らかにし、真実の究明に協力すべきである。自白が真実かどうか、再審開始すべきかどうか裁判所が判断するうえで関連する全証拠の開示は不可欠である。
  弁護団は、この日の三者協議で、開示証拠にもとづく新証拠をさらに提出した。小野瀬鑑定は、書字技能の発達についての心理学的研究をふまえて、昨年開示された上申書をふくむ石川さんが書いた文書と脅迫状のひらがなを分析し、筆跡の異同を鑑定したものである。小野瀬鑑定は、脅迫状と石川さん作成文書は同一人が書いたものではないと結論づけるとともに、石川さんが逮捕・勾留後、急速に書字技能が発達している点も指摘している。石川さんが後に書いた手紙などをもとに、脅迫状も書けたとする棄却決定の誤りも明らかにしているといえる。
  また、開示された当時の警察官作成の捜査報告書を新証拠として提出し、取調べ録音テープの分析もふまえて、自白にもとづいて鞄が発見されたとする有罪判決の誤りを明らかにしている。さらに、弁護団が1審当時の弁護人に、再逮捕後、石川さんが自白にいたるまで接見を妨害された状況について聞き取りをおこなった報告書を提出し、違法な取調べによる虚偽自白であることを明らかにしている。
  弁護団はスコップの指紋検査結果や万年筆の置き場所の図面などあらたな証拠開示請求もおこなっている。徹底した証拠開示と事実調べを求める世論を大きくしよう。


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