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<月刊「狭山差別裁判」425号/2010年08月>

東京高検は公正・誠実に証拠開示に応じよ!
公正・公平な証拠開示の法制化を実現しよう!

 2011年7月17日に、狭山事件第3次再審請求の7回目の三者協議が東京高裁でおこなわれた。ことし5月に交代した小川正持裁判長、同じく交代した担当検察官と弁護団の10人の弁護人らが出席した。この三者協議に先立って弁護団は検察官に対する反論書を5月18日に提出していた。検察官は前回の三者協議で「雑木林のルミノール反応検査は実施されなかった可能性がある」「ルミノール反応検査報告書は不見当」とする意見書を提出していた。この検察官の回答に対して、開示された元県警鑑識課員に対する検察官の聞き取り報告書などにもとづいて反論し、雑木林におけるルミノール反応検査はおこなわれたはずであるとして報告書の開示を求めるとともに、血痕検査などの捜査経過を明らかにするべきだとして、捜査指揮簿、庶務日誌などの開示も求めていた。
  弁護団はまた、2月、3月、5月に証拠開示勧告申立書を東京高裁に提出し、死体を埋めるために使われたとされ有罪証拠のひとつとなっているスコップ、脅迫状を届ける際に乗っていったとされる被害者の自転車の指紋検査結果の報告書などの証拠開示も求めていた。
  しかし、東京高検の検察官は、第7回三者協議で、これらの証拠の開示の必要性はないという意見書を裁判所に提出し、証拠開示に応じなかったという。弁護団は三者協議の場で、2009年に東京高裁が開示勧告をおこなって以降の協議の積み重ねを反故にするものであるとして、きびしく検察官を批判し、東京高裁の小川裁判長も、これまでの流れをふまえて再検討するよう検察官に促したという。当然であろう。
  検察官の証拠開示に応じようとしない姿勢はきわめて問題である。弁護団は、証拠の存在する根拠とともに、開示の必要性、新証拠との関連性を示して、証拠開示を請求している。検察官は、開示の必要性はないとする同様の意見書を2009年10月末にも提出したが、東京高裁は同年12月に、検察官に8項目にわたる開示勧告をおこなっているのだ。
  検察官は弁護団が提出した証拠は無実を示す新証拠ではないから、開示する必要はないと主張する。しかし、弁護団が提出した証拠が有罪判決に疑いを生じさせる新証拠かどうかの判断は裁判所がすることであって、それが認められるまで証拠を開示する必要がないという考え方は、無実の人を誤った有罪からすみやかに救済するという再審の理念に反するし、何よりも、証拠隠しが誤判を引き起こし、証拠開示が真実究明と誤判救済をたすけたというこの間の冤罪の教訓をふまえていない。
  重要な証拠の開示についての協議は9月の三者協議に持ち越された。狭山弁護団は、さる8月9日に、この検察官の意見にたいする反論の意見書を提出し、あらためて証拠開示を強く求めた。東京高検の検察官が、高裁の開示勧告の趣旨にしたがい、弁護団の証拠開示請求に誠実、公正にこたえるよう強く求めたい。
  狭山事件で証拠開示に応じようとしない検察官の姿勢を改めさせるためにも、検察官が公正・公平に証拠開示に応じることを義務づける法律の制定を政府、国会に求めていく必要がある。公正な証拠開示の法制化を求める署名運動を幅広く進めよう!


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