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<月刊「狭山差別裁判」426号/2010年09月>

東京高検は公正・誠実に証拠開示に応じよ!
東京高裁は開示勧告をおこない事実調べを!

  2011年9月28日に、狭山事件第3次再審請求の第8回三者協議が東京高裁でおこなわれた。東京高裁第4刑事部の小川裁判長と東京高検の担当検察官と弁護団の10人の弁護人が出席した。弁護団は、2月、3月、5月と証拠開示勧告の申立をおこない、スコップの指紋検査結果の報告書などの開示を求めたが、7月の第7回三者協議で、検察官は、証拠開示の必要性はないとする意見書を提出し、開示に応じなかった。小川裁判長も、再検討を促し、弁護団は8月9日付けで、あらためて、これらの証拠開示を求めた。9月28日の第8回三者協議で、検察官は、スコップの指紋検査報告書など弁護団が求めた証拠について 「不見当」と回答した。
  しかし、「不見当」という回答には、市民感覚としても疑問が残る。狭山事件のほかの証拠物では、脅迫状とそれが入っていた封筒はもちろん、5月24日に雑木林と畑の間の溝から発見された被害者の教科書、ノートも6月21日に鞄の下から見つかった牛乳ビンも指紋検査がおこなわれている。これらは、いずれも、スコップよりも長い期間、雨ざらしで、しかも、泥土をかぶって溝から見つかったものである。スコップは麦畑で発見されているが、投棄された状態を考慮しても、スコップだけ指紋検査をおこなわなかったとは考えにくい。もし、当時の捜査本部が、犯人が握って、その指紋が残っている可能性が高いスコップだけ指紋検査をおこなわなかったというのであれば、なぜされなかったのか、捜査じたいに疑問が生じるといわねばならない。指紋が検出されなかったので、検察庁に証拠として送られなかったのではないかという疑いさえあると言わねばならない。スコップは確定判決で、石川さんと犯行を結び付ける証拠の一つにあげられている。検察官は「不見当」というだけでなく、その理由について説明をすべきであろう。
  弁護団は、スコップについて、付着していた土壌が死体埋没現場の土壌と類似するとした警察の鑑定の疑問を指摘する科学者の意見書を提出している。東京高裁は、徹底した証拠開示と鑑定人の尋問を保障すべきである。
  この間の証拠開示と三者協議のやりとりで、結局、殺害現場を裏付けるものが自白以外に何もないことが浮びあがっている。また、有罪判決の認定したストーリー、その根拠となった自白のなかに出てくる証拠物、脅迫状・封筒、自転車、万年筆、腕時計など、すべて石川さんの指紋がないこともはっきりしてきた。東京高裁は、自白の信用性について、事実調べをおこなうべきである。
  弁護団は、第8回三者協議後すぐに、スコップ関連資料や「犯行現場」 の特定にかかわる捜査資料などの開示勧告申立書を提出し、開示を求めた。次回の三者協議は12月に開かれ、証拠開示の攻防はつづいている。狭山事件で証拠開示に応じようとしない検察官の姿勢を改めさせるためにも、布川事件や村木さんの冤罪事件をはじめとするこの間の冤罪の実態を教訓としても、検察官が校正・公平に証拠開示に応じることを義務づける法律の制定がいまこそ問われている。公正な証拠開示の法制化を政府・国会に求める請願署名運動を幅広く進めよう!


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