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<月刊「狭山差別裁判」431号/2012年2月>

「犯行現場」の疑問はますます深まっている!
東京高裁は0さんの証人尋問をおこなうべきだ

  4月23日に東京高裁で第3次再審請求の第10回三者協議が開かれた。死体を埋めるために使われたとして有罪証拠の一つになっているスコップの捜査に関する書類や筆跡資料など19点が開示された。検察官がスコップの指紋検査報告書を「不見当」としたことを受けて、弁護団がスコップの捜査に関わる証拠の開示を求めていたものだ。弁護団が求めた証拠が一部開示されたことは重要だが、一方で、検察官は、万年筆の隠し場所の自白図面の開示や番号の抜けている証拠の特定などについては応じなかったという。
  これまで80点近い証拠が開示されたが、弁護団が求めた重要な証拠がまだ開示されていないことを忘れてはならない。弁護団は、4月19日付けで、「3物証」「犯行現場」「出会い地点」「目撃証言」「手拭い」などについて証拠開示を求める開示勧告申立書を提出した。また、今回の検察官の回答に対する反論の意見書も今後提出し、証拠開示を求めていくことにしている。
  三者協議に先立つ4月20日には、証拠開示の法制化を求める院内集会が開かれ、冤罪当事者や再審弁護団、刑訴法学者から、弁護側への証拠開示を保障する法律の制定が訴えられ、取調べ可視化と公正な証拠開示の法制化を求める署名741,379筆が提出された。「冤罪をなくせ」「公正・公平な司法を」という市民の大きな声がある。足利事件、布川事件の教訓を訴え、狭山事件の証拠開示と事実調べを実現するために、さらに運動の輪を広げ、世論を大きくしていこう!
  弁護団は、事件当日、殺害現場とされる雑木林の隣にいて「悲鳴・人影はなかった」と証言している0さんの証人尋問の早期実施を求める要請書も4月19日付けで提出した。
  2009年12月、東京高裁は「犯行現場」の血痕検査報告書の開示を勧告したが、検察官は、報告書は「不見当」であり、犯行現場の血痕検査はおこなわれなかった可能性があると回答した。弁護団は、さらに、殺害現場の自白を裏付ける捜査書類や、「殺害現場」を特定するためにおこなわれた捜査の書類を開示せよと求めたが、検察官はこれらも「不見当」と回答した。納得のいかない回答だ。事件直後から、犯行現場を特定するための捜査がおこなわれたはずだし、「殺害現場」の自白が得られれば、その裏付けのための捜査がおこなわれるのが当然だ。しかし、この間の三者協議で検察官は殺害現場を裏付ける客観的証拠をまったく出していないのである。だとすれば、「殺害現場」の根拠は自白しかなのであるから、その自白の信用性を判断するために、事件当日、至近距離にいて「悲鳴も人影もなかった」と証言している0さんの証人尋問をおこない、自白の疑問を解明することは不可欠であろう。東京高裁は、0さんの証人尋問をはじめ「犯行現場」の疑問にかかわる事実調べと徹底した証拠開示をおこなうべきである。
  10月におこなわれる次回の三者協議にむけて、0さんの証人尋問などの事実調べを求める声を大きくしていこう。新しく作成されたDVD「石川一雄さんは無実だ」を活用し、開示された逮捕当日の上申書、0さん証言などの学習を深め、高裁、高検に対する要請ハガキに取り組もう!


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