<月刊「狭山差別裁判」438号/2012年9月>

未開示の証拠がまだたくさんある
徹底した証拠開示と事実調べが必要だ

  2013年1月30日に、第12回三者協議がひらかれた。検察官は、弁護団が要求していたもののうち証拠19点を開示した。開示されたのは、この間弁護団が求めた手拭いの捜査に関わる証拠、腕時計の捜索にかかわる報告書、「秘密の暴露」のひとつとされた自白の内容にかかわる捜査報告書である。弁護団は、これら開示証拠を精査し、再審請求の新証拠として提出するとしている。
  また、今回開示された捜査書類によって、さらに手拭い捜査にかかわる資料が存在するはずであるとして、弁護団はあらたに開示勧告申立書を提出する。また、検察官が付けた番号が抜けている末開示の証拠物について、筆跡資料、捜査過程で発見・収集された証拠物など、具体的に指摘して、あらためて証拠開示を求めることにしている。
  一方で、検察官は、「犯行現場」 に関わる捜査書類など、弁護団が求めた証拠開示について証拠開示の必要性はないと回答しているものも少なくない。検察官の意見に対して、弁護団は、その都度、証拠の存在と開示の必要性を明らかにし、証拠開示を求めており、裁判所も柔軟に対応するよう検察官に促している。検察官は弁護団が求める証拠開示にすみやかに応じるべきである。
  弁護団は、 2013年1月24日付けで、脅迫状・封筒の筆記インクについて]線分析器による科学的分析をおこなうよう求める鑑定嘱託申立の補充書を提出した。また、「犯行現場」に隣接する畑で事件当日、農作業をしていて「悲鳴」を聞いていないと証言している0さんの証人尋問も求めている。第12回三者協議でも、弁護団はこれらの事実調べを強く求め、今後、事実調べについて検察官の意見が出され、裁判所が判断することになる。
  弁護団は、取調べテープの分析や殺害方法についての鑑定書などの新証拠を4月末に提出することにしており、検察官も腕時計のバンド穴に関する新証拠にたいする意見書などを提出するとしている。これら双方からの書面提出を受けて、5月に次回の三者協議がおこなわれることになった。いよいよ大きなヤマ場をむかえる。狭山事件は2013年5月には半世紀を迎えるが、1974年の2審判決以来38年以上も一度も鑑定人尋問などの事実調べがおこなわれていない。きわめて不公平、不公正と言わねばならない。
  足利事件では弁護団が求めたDNA鑑定の再鑑定を東京高裁がおこない、菅家さんの無実が判明した。布川事件では法医学者や取調べテープの編集痕を分析した専門家の尋問などがおこなわれ再審が開始された。また当時の目撃証言が証拠開示され証人尋問がおこなわれている。
  「東電社員殺害事件」でも、現場の遺留物や事件当時の鑑定などが証拠開示され、DNA鑑定がおこなわれてゴビンダさんの無実が明らかになった。これらの再審無罪を教訓にして、東京高裁は狭山事件の事実調べをすみやかにおこなうべきである。「狭山事件50年! いまこそ狭山事件の再審を!」の世論を大きくしていこう!


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