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<月刊「狭山差別裁判」446号/2013年5月>

有罪判決から40年間一度も事実調べがおこなわれてない!
東京高裁は鑑定人尋問や現地での検証をおこなうべきだ!

 石川さんの自白では、脅迫状を届けたときに被害者宅の隣の家の前に車が駐車しているのが見えたとなっている。この自白と一致する車の駐車をしていたという男性の証言があり、これは自白によってはじめてわかった犯人しか知らない「秘密の暴露」だとして、確定判決は有罪証拠のひとつにあげた。弁護団は、この事の駐車に関する当時の捜査書類を開示するよう求め、昨年1月に検察官から捜査報告書などが開示された。脅迫状が届けられたのは午後7時半頃となっているが、開示された警察
の捜査報告書には、被害者宅周辺の当初の聞き込み捜査で、この時刻前後に車の駐車があったという聞き込みは得られなかったと記載されていた。
  さらに、車の駐車を目撃した人や車を駐車していた男性自身の当初の供述では、車の駐車が午後7時半ではなく、もっと早い時間帯であることも判明した。
  弁護団は、事件発生から50年目の2013年5月1日に狭山現地での検証を実施した。また、車の走行実験や当日の降雨状況(午後4時半頃から本降り)の分析によって、車の駐車が当日の午後4時半~5時頃と考えられることを明らかにし、脅迫状が届いた時間や自白と一致せず、車の駐車を「秘密の暴露」とした有罪判決が誤りであったと主張している。
  関係者の供述は、その後、自白に合うように遅い時間帯に変遷しているが、事件当日の降雨状況や走行再現実験の結果などから変遷後の供述は信用できず、警察が作り上げた疑いがあることも明らかになった。
  また、5月1日(午後6時半頃日没)の夜に、当時の被害者宅前道路と同じような街灯のない道路上でおこなった検証で、そもそも午後7時30分頃に、自白のように約60メートル離れた場所に駐車した車が見えないことも明らかになった。自白自体が虚偽の疑いがある。弁護団は、開示された捜査報告書等5通、狭山現地検証報告書、走行実験報告書など13点の新証拠と、車の駐車の事実は脅迫状が届けられた時間よりもずっと早い時間帯で、有罪確定判決には合理的疑いが生じたとする再審請求補充書をあわせて1月30日提出した。今回提出された新証拠をあわせて、第3次再審請求で提出された無実の新証拠は133点になった。東京高裁はこれら新証拠の事実調べをおこなうべきである。
  弁護団は、自白の信用性、秘密の暴露といえるかどうか公正に判断するために、事件当時と同様の街灯のない場所での検証を裁判所に求めている。免田事件や梅田事件では自白の再検討のための現場検証がおこなわれ、自白の信用性が否定され再審無罪となっている。これまでの再審の教訓をふまえ、東京高裁は弁護団の求める検証を実施すべきだ。2014年には狭山事件の確定判決となっている2審・東京高裁の有罪判決から40年をむかえる。狭山事件では、この40年間、一度も事実調べがおこなわれていない。あまりに不公平、不当ではないか。東京高裁に事実調べを強く求めたい。


月刊狭山差別裁判題字 

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