<月刊「狭山差別裁判」452号/2014年8月>

まだ多くの証拠が開示されていないことは明らかだ!
証拠リストの開示、徹底した証拠開示が必要だ!

 弁護団は7月25日、石川さんの取調べをした関源三巡査部長が作成した捜査報告書を新証拠として再審請求補充書とともに東京高裁に提出した。この捜査報告書は、石川一雄さんが単独犯行の自白を始めた6月23日に作成されたもので、石川さんが死体の状況を知らなかったこと、また自白がつくられたものであることを警察官の報告書というかたちで立証する重要な新証拠である。
  石川さんは、逮捕から1カ月経った6月23日に、単独犯行であることを自白したことになっている。6.23関報告書によれば、この時、石川さんは取り調べに当たっている3人の刑事を部屋から出てもらうように言い、関巡査だけ残ってくれといって二人だけになって話したという。そして、その時、石川さんが「Yちゃん(被害者)はどうなっていたんべい。それを教えてくれればわかるんだ」と尋ねたと報告しているのだ。
  関巡査は東京高裁の第2審第5回、第6回公判(いずれも1965年)でも同じように証言しており、また6.23関報告書は開示された取調べ録音テープとも内容的に一致しており、実際にこうしたやりとりがあったと考えられるのである。容疑者が警察官に「死体の状況を教えてくれ」と聞いたことになる。
  こんなことを犯人が聞くはずがない。そのこと自体、石川さんが犯人でないことをあらわしている。弁護団は、この点を取り上げ、石川さんが死体の状況を知らなかったこと、また自白がつくられたものであることを示す新証拠として、この関報告書を提出した。あわせて自白の経緯に関する証拠開示を求めた。証拠開示の攻防は続いている。さらに世論をたかめよう。
  6.23関報告書と取調べ録音テープは、捜査官らが検察官と共謀して2審の法廷で偽証していることも浮かびあがらせている。取調べテープから、石川さんと関巡査との1対1の取調べで、犯行の状況を答えられない石川さんに関巡査がいろいろと説明し、その後、長谷部警視ら3人の刑事が加わった取調べで虚偽の自白調書が作られていくという経過だったことが明らかになったが、そのうえに、この虚偽の自白調書が作られていく経過を裁判の中で検察官が隠そうとしていたことが開示証拠でわかったのだ。
  2審で関巡査が法廷で証言した後に、主任検事の原検事が、取調べ官である3人の警察官の供述調書を作成し、単独犯行を自白したとき関巡査はいなかった、死体の状況などよく知っていた、すらすら自白したという内容の供述をとっていたことが開示された捜査書類で明らかになったのである。
  取調べにあたった捜査幹部の長谷部警視や自白調書を作成した青木警部は、2審の法廷でその供述調書通りに証言して、関の法廷証言を否定しているのだ。2審・東京高裁の寺尾判決は、これら捜査官の証言を根拠に、取調べで不当な誘導はなかった、自白は信用できると認定している。捜査官らの偽証をうのみにして誤判をおかしたというべきである。
  寺尾裁判長による有罪判決から40年―いまこそ東京高裁は弁護団の新証拠、主張をうけとめ、徹底した証拠開示と事実調べをおこない、再審を開始すべきである。


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