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主張&声明

あいついで提出された新証拠の学習をすすめよう!
証拠開示・事実調べを求める世論をさらに大きくしよう!

(月刊「狭山差別裁判」470号)

 弁2016年12月28日、狭山弁護団は、森実・大阪教育大学教授の鑑定書、魚住和晃・六甲筆跡科学研究所所長による鑑定書の2通を新証拠として提出した。両鑑定は証拠開示された取調べ録音テープの筆記場面の分析もふまえて、とくに読み書き能力の観点から石川さんが脅迫状を書いていないと鑑定したものだ。森鑑定は、1955年に文部省がおこなった国民の読み書き能力調査と対比させながら、逮捕当日の上申書や供述調書に添付された図面の説明文字、それが書かれた際の取調べの音声記録(録音)などをもとに、当時の石川さんの読み書き能力を分析し、脅迫状を書けなかったことを明らかにしている。取調べで警察官の指導を受けながらも、促音や拗音など小学校1年で学習するかな文字表記のルールが習得できていないことを明らかにしたうえで、非識字の状態であった当時の石川さんが脅迫状を書いたことはありえないと結論づけている。

 魚住第3鑑定は、取調べテープのやりとりから、逮捕後の取調べで石川さんが警察官の指導を受けながら、学習を積み重ねており、国語能力がじょじょに発達していることを指摘したうえで、それにもかかわらず、取調べで石川さんが書いた図面の説明文字などの筆跡が脅迫状と明らかに異なるとしている。

 2通の筆跡・識字能力鑑定は脅迫状を証拠の主軸とした狭山事件の有罪判決(寺尾判決)を根底から崩すものだ。

 さらに弁護団は、1月31日に万年筆の専門家である川窪鑑定人による第3鑑定を提出した。川窪第3鑑定は、昨年証拠開示された調書に添付された記載文字から筆記した万年筆のペン先を鑑定したもので、発見万年筆は細字のペン先(ペンポイント)、脅迫状の訂正文字は中字のペン先であることを専門家の立場から明らかにしている。被害者の万年筆で脅迫状の訂正をし、それを自宅に持ち帰ってお勝手の鴨居に置いていたものが自白によって発見されたという寺尾判決の認定の誤りは明らかだ。

 発見万年筆が被害者のものではないことを科学的に明らかにした下山鑑定につづき、発見万年筆が脅迫状訂正に使われたものではないことを明らかにした今回の川窪鑑定によって、寺尾判決は完全に崩れたといえる。発見万年筆は事件とまったく関係のないものということになり、2度の家宅捜索の後に発見された経過のおかしさや自白の不自然さとあわせて考えれば、警察によるねつ造の疑いがさらに深まったというべきである。

 検察官は、これら川窪鑑定、森鑑定、魚住鑑定について、反論、反証するとしている。弁護団は、いずれの新証拠も万年筆、脅迫状という寺尾判決の根幹を崩すものであり、検察官の反論が出されれば、再反論するとともに、これら新証拠の意義をさらに訴えていくことにしている

  次回の第32回三者協議は5月上旬におこなわれる。次回の三者協議にむけて、下山鑑定、川窪鑑定、森鑑定、魚住鑑定や取調べ録音テープなどの新証拠によって、石川さんの無実が明らかとなり、寺尾判決が完全に崩れていることを広く宣伝していこう。5月には石川一雄さんの不当逮捕から54年を迎える。

 不当逮捕から54年を迎える5月23日には東京・日比谷野音で、狭山事件の再審を求める市民集会が開催される。全国各地で、新証拠の学習・教宣をすすめ、冤罪54年をアピールし、事実調べ・再審開始を広く訴え、要請ハガキや署名活動をすすめよう!


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