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主張&声明

あいついで提出された新証拠の学習をすすめよう!
証拠開示・事実調べを求める世論をさらに大きくしよう!

(月刊「狭山差別裁判」472号)

 2017年3月、弁護団は鞄に関する新証拠を提出した。鞄は狭山事件の確定判決である寺尾判決において万年筆、腕時計とともに3物証のひとつ。いずれも石川さんの自白通りに被害者の所持品が発見されたとして自白が真実であることを示す有罪証拠とされた。石川さんは逮捕から1ヵ月無実を訴え続けたが警察はいったん釈放・再逮捕し、別の警察署に一人だけ勾留し、弁護士との接見を禁止して取調べを続けた。石川さんを自白に追い込む取調べが、強引な自白の強要と石川さんが信頼していた警察官との人間関係を利用したものであったことが取調べ録音テープで明らかになっている。こうした取調べのなかで再逮捕後4日目の6月21日に鞄について自白をし、捜索したら発見されたというのである。しかも、自白は、「鞄に教科書を入れたまま捨てた」から「教科書は鞄から出して捨てた」と別々に捨てたように変わり、捨てた場所がどれぐらい離れていたかについても「そばに捨てた」から10メートル、50メートルとだんだん遠くなるように変遷している。このような自白じたいが信用性のないことは明らかだ。鞄を自転車にくくりつけていたゴム紐(荷掛け紐)は事件直後の5月3日に発見され、鞄の中に入っていた教科書類は5月25日に発見されている。ところが、取調べ録音テープのなかで、石川さんは鞄の捨て場所を聞かれ「本のそばにあるはず」と答えている。取調官に教科書はすでに見つかっていると言われ「それじゃあ知らない」と答えているのだ。石川さんが犯人でないゆえに鞄の捨てられた場所を知らないこと、まさに「無知の暴露」があらわれている。自白は警察官の誘導でつくられたものなのだ。

 今回提出された流王報告書は土地家屋調査士という専門家として、狭山現地の測量や現場の地形や地目の調査もふまえて、証拠開示された事件直後の現場の航空写真に自白の鞄処分地点や警察が最初に捜索した場所を特定したものだ。石川さんの自白で鞄を捨てたという「山と畑の間の低いところ」が実際に鞄が発見された溝とがたんに距離が離れているというだけでなく客観的にまったく違う場所であることが明らかにされている。鞄は自白にもとづいて発見されたとはとうてい言えない。万年筆、腕時計とともに有罪の3物証はすべて崩れている。東京高裁はすみやかに事実調べをおこない再審を開始すべきだ。

 狭山事件のような自白偏重の捜査をいっきに拡大させ、監視社会をつくりだす「共謀罪」を「テロ等準備罪」と名前をかえて安倍政権は国会に提出した。犯罪を計画段階で処罰を可能にする「共謀罪」の創設を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改正案」である。「共謀罪」はこれまで3回、国会に提出されたが、いずれも廃案となったが、安倍政権は「テロ対策」を前面に押し出し、さらには「東京オリンピックが開催できなくなる」という嘘とまやかしで強行に成立させようとしている。「特定秘密保護法」「戦争法」の強行や教育勅語の復活の動きなど「戦争をする国」づくりにむけた体制整備の一環だ。「共謀罪」は合意だけで処罰するもので「疑わしい」だけで処罰される。しかも対象犯罪は277もあり、市民の日常生活に関わるものも含まれる。「共謀」も「組織的犯罪集団」の認定も捜査当局がおこなうので、恣意的な捜査が拡大し、物的証拠はないから自白偏重の捜査・取調べがさらに拡大する。盗聴が拡大し、「密告」が奨励され暗い監視社会を導くことになる。まさに現代の治安維持法だ。国民の基本的人権を侵害し、冤罪を生み出す可能性を拡大する「共謀罪」新法案を絶対に成立させてはならない。断固反対しよう!


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