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靴づくりの歴史と技を
おおくぼまちづくり館で学ぶ
「解放新聞」(2004.03.22-2162)

 

 【奈良支局】橿原市大久保町の「おおくぼまちづくり館」で3月7日、同館保存事業運営委員会主催の「靴づくりの歴史と技を知る集い」をおこない、80人が参加した。
 この集いは、開館2周年事業として、今では衰退してしまった靴づくりの歴史と技を継承し、あらためて記録にとどめていく契機に、また部落内外の交流、学習の機会にしようと企画されたもの。
 吉岡勝・運営委員長が「来館者は1万人をこえた。昨年は移転の歴史を中心に学んだ。今回は靴づくりに焦点をあてた」とあいさつ。ついで、靴づくりに携わってきた8人の達人(吉岡勝さん、吉岡清司さん、島田光雄さん、樫俊司さん、加護均さん、米田充男さん、山本亨さん、加護隆重さん)から話を聞いた。
 戦後に軍靴工場から払い下げを受けて、本格的に仕事が始まったこと▽差別のため他に仕事がなかったので、地域ぐるみの仕事になったこと▽儲かったので、子どもも勉強をするより靴の仕事を手伝ったこと▽そのために長欠児童が多かったこと、などさまざまな側面からの思い出話が達人から披露された。また長く教師として部落にかかわっていた加納芳紘さんからも、靴の生産が盛んであった当時の部落のようすや子どもたちの姿が紹介された。

靴づくりの実演に
参加者は興味深く

 その後、大久保でおこなっていた靴づくりの工程にもとづいて実物やDVDを使った詳しい説明と、実際にやっていた姿での実演もおこなわれ、参加者は興味深くこれらの作業に見入った。また、部落の子どもたちがかよう畝傍北小学校でとりくんだ靴づくりについての体験学習のビデオも紹介。大久保の靴づくりを大人から子どもまで、校区全体としてその歴史と意義を継承していくことの大切さを確認した。県連は「こうしたとりくみは、差別を『両側から超える』試みとして大きく評価することができる」と語った。


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