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市町村合併問題で差別発言
「同和がいるのでできない」と
日立アロイ(株)の休憩室で社員が

「解放新聞」(2004.10.18-2190)

 

 【埼玉支局】「同和がいるので合併できない」。県連と北埼玉地区協議会は、8月26日、騎西町田ケ谷総合センターで日立アロイ株式会社で発生した差別事件(別項参照)の事実調査をおこなった。県連は、この事実を重く受けとめ、9月議会の終了を待って、加須市と騎西町にたいし話し合いを申し込む予定。

発言の事実は認めたが

 調査会には、差別発言をおこなった元社員A(60歳)と、告発したBさんのほか、会社代表や加須市、騎西町の人権担当職員が出席。県連からは、片岡明幸・委員長はじめ、長島泰治・北埼玉地区協議会議長ら8人が出席した。
 調査会で、Aは同和問題の認識を「加須市に引っ越してから初めて知った」と答え、きっかけは町内のドブ掃除作業のあとの慰労会で、その日作業を欠席した一人の人物が話題にのぼり、「出てこなかったあれは同和の人間だ」と聞かされ「連中は、国から金をもらって毎日仕事もしないでブラブラしているどうしようもない奴らだ」とか、「乱暴で、すぐケンカをはじめるような悪い奴らが多い」などと聞かされた。Aは「その時の印象が強くて、以後、同和地区にたいしてはずっと悪い印象をもってきた」と語った。
 また、「同和がいるとなぜ合併できないのか」との問いにAは「騎西町と合併すると加須市も同和地区を抱えることになる。そうなると同和地区の人に補助金を出したり、税金を優遇しなければならなくなり、市の負担が増える。だから合併に反対だった」とのべ、「加須市もそれが理由で合併に反対している、と思った」と説明した。
 Bさんは「職場が同じだから我慢してきたが、自分は労働組合の役員もしており、地区出身であることは会社に伝えてあった。またこの会社には、ほかにも同和地区出身者が働いており、自分一人だけの問題ではない。Aが謙虚に反省しているのなら許そうと思ったけれど、反省の色が見えないので訴え出ることにした」と、心の内を語った。

【事件の概要】
 事件は、4月29日に日立アロイ株式会社で発生、休憩室で市町村合併が話題となったさい、Bさんが「加須市と騎西町の合併の話がでているが、合併できるだろうか」と聞いたところ、Aが「同和がいるので、騎西と加須は合併できない」と発言した。またAは休憩室を出るときにも「会社の裏も、同和がいっぱいだ」と吐き捨てるように発言して立ち去った。
 この発言に憤慨したBさんは、会社の総務にこの事実を報告し、社員が同和問題を正しく理解するために教育をおこなってほしいと要請した。
 会社はAをよんで指導したが、Aはすぐには謝罪せず、数日後、作業中にBさんに出会ったさい、運転中のフォークリフトの上から「悪かった」「あんたを差別したわけではない」と不遜な態度で謝罪するにとどまった。また、その後、Bさんを睨みつけるような態度をとることがあったため、Bさんは7月になって県連に訴えた。

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