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部落問題資料室
NEWS & 主張
部落出身理由に辞職迫る
被害者が直接訴え
2年以上も連続ハガキで
「解放新聞」(2005.4.25-2216)
 【福岡】立花町役場に勤務するAさんにたいし、部落出身を理由に辞職を迫り、生命を脅かすひじょうに悪質非道な差別ハガキ事件が2年以上にわたり連続発生している。今年3月14日消印の第7回目のハガキでは、犯人は「『注意しなさい』と忠告していたでしょう」(Aさん宛)、「早く辞めさせないから手を討ちましたよ」(上司宛)と、ほかに何らかの犯行をおこなったことをほのめかし、直前の3月11日(金曜日)には、犯人との関係は不明だが、何者かがAさん宅に侵入し、家中を荒らして金品を盗む事件も起きている。
 立花支部をはじめ筑後地協は全力でAさんを支えて糾弾闘争を展開し、町とAさんはあいつぐ事件を八女警察署へ提起。行政、議会、町父母教師会(PTA)連絡協議会など町内のさまざまな団体も抗議声明などを発表し、部落差別撤廃へ町ぐるみでとりくんでいる。

立ちあがりをつなげて

 3月28日夕には、田中礼助・町長が会長を務める立花町人権・同和教育研究協議会(町同研)が、「『人権侵害・差別はがき事件』を考える!『差別を許さない』町民集会」を立花町担い手研修センターでひらき、430人がかけつけた。当初メッセージだけを予定していたAさんは、みずから急きょ登壇し、差別撤廃への行動を直接町民に訴えた。
 Aさんは「みなさんのこの怒りが大きなうねりとなって犯人に届くことを願っています」と語り、「不安と怒りの日び。だんだんとエスカレートし、実際に私の家に空き巣が入った流れを見ると、身辺に危害が加えられてきており、子どもへ危害がおよばないかが、いま一番心配で不安でいっぱいです」と報告。「差別は命をも奪いかねません。何も手だてしないことは、差別にじっと我慢していなさい、差別を受けたら死になさいということになる。正しいことを伝え、これはおかしいよという立ちあがりをつなげるなかで、真に差別がなくなることを願う。みなさんの怒りの行動が、熱として光として力になる。1人でも多くの人をつなげ、部落差別を、あらゆる差別をなくしていこうではありませんか」と訴えた。
 集会では、ハガキの文面や各団体の決議などをスクリーンに映して牛島勝喜・町同研事務局次長が事件概要を説明し、筑後地協の組坂幸喜・書記次長が差別性など事件の問題点を提起。Aさんの訴えにつづき、町PTA連絡協議会、町同研、町議会から、それぞれ甲斐田照明・会長(副会長が代読)、井上司・社会教育部会長、朽網英文・総務常任委員長が決意表明。会場からの発言のあと、町同研の東一眞・事務局長が集会決議を読みあげ、採択した。
 田中会長は、「本当に卑劣な差別ハガキ。実態をいま一度十分認識いただき、この輪を1人ひとり、町民に広げる努力をぜひ願う。本集会が、本当に人権にたいし、誇りをもって安心して住んでいける町づくりの第一歩となるように」と提起。7回目のハガキの内容を受け、警察が捜査に入ると言明したことも語った。
 組坂書記次長は、ハガキが一昨年12月以来計7回・15通がエスカレートしながらAさんやAさんの上司などに送られており、職場からの排除、就職差別、結婚差別を助長し、人権・同和教育も否定していること、生命を脅かす緊急課題であることを指摘。部落差別撤廃に向けた糾弾闘争の意義を語るとともに、参加者1人ひとりの差別を許さない行動の展開をよびかけた。
 会場からは、8年前に同様の連続差別ハガキを受けて故郷・立花町を離れざるをえなくなった牛島さん(立花支部出身)と、牛島さんと同じ職場に勤めていた片山さんが挙手し、あいついで登壇。牛島さんは「逃げ出したことをひじょうに恥ずかしく思っている。もっとあのときに自分がしっかりやっておけば、差別がつづかなかったのではないか。自分なりに動き、差別をなくしたい。どうか自分が何ができるかを考え、行動をともにしていただきたい」と訴えた。
 片山さんは「(牛島さんは)自分が出ていったことを悔やんでおられるが、僕は出ていかせたことを悔やんでいる。とりくみができなかった、力がなかった、いまひじょうに痛感している」と語り、部落出身をあかして「もしここにハガキを書いている方がいるなら、なぜこの2人にしか書かないのか。僕に書いてください。受けて立ちます」と差別と闘い抜く決意を表明。「ぜひ同じ立場の方、同じような口調でいこうじゃないですか。差別はおかしいです。そう部落民がいっていこう」と訴えた。

 

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