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部落問題資料室
NEWS & 主張
犯人を絶対許さない
連続差別ハガキ事件で怒りの声
「解放新聞」(2005.7.25-2228)
 【福岡支局】「たいがいで辞めろ、部落にクソあれ、あんたに不幸あれ」などと2年半にわたって、立花町役場で働くAさんにたいし、部落出身を理由に辞職を迫り、生命を脅かすひじょうに悪質な差別ハガキが送りつけられている立花町連続差別ハガキ事件(第2216号既報)で、筑後地協(森下拓生・委員長)は6月11日、立花町隣保館で学習会をひらき、100人をこえる同盟員が参加し、未だ判明しない犯人にたいする怒りの声をあげ、事件の解明に向け地協が一体となってとりくむことを確認した。

緊急の学習会で
被害者が訴える

 今回の学習会は、田中礼助・町長が会長の立花町人権・同和教育協議会が3月28日にひらいた「「人権侵害・差別ハガキ事件」を考える!「差別を許さない」町民集会」後の4月23日に8通日の差別ハガキ(別項)が送りつけられたことから、緊急にひらいたもの。
 学習会では、森下委員長が「事件はきわめて悪質、非道だ。Aさん1人の問題ではなく、部落住民全体への差別であり、県連、中央本部と連携して、絶対に犯人を見つけ、糾弾していく」と決意をあらわにした。
 中央本部からは組坂委員長が、東京での大量・連続差別ハガキ事件を例に引き「この事件の犯人を見つけるには、ネットワークをつくっておくことが大事で、行政・教育関係者をはじめ、広く市民に協力を訴えよう」と提案した。
 当事者のAさんも参加。「ハガキが届いたときから家族のことや、職場をいつ解雇になるのか不安だった。今は、地域の人や地協の同盟員に励まされ立ち直った。犯人には怒りを感じ、見つかったら強く抗議したい」と心境を語った。
 今後のとりくみとして地協の組坂幸喜・書記次長が「当分、警備体制を敷き、本人の安全確保に努める。また、犯人探しはもちろん、事件の背景として行政のおこなった人権・同和教育や啓発活動の結果、町民がどのように受けとめているのかを把握する必要がある」と提起した。

Aさんに送りつけられてきた
8通目の差別ハガキの内容
本当にしつこいものだ、部落の者は。
たいがいで辞めたらどうですか。
まだ、効き目がうすかったようですかね。
私たちは、遊びじゃないと言っているでしょうが。

部落の者が人を指導すること自体許せないこと。
部落のわがままは、いつまでも許せないのです。
                立花町子ども育成会

事件の概要
 1昨年12月、八女郡立花町役場に働くAさんに部落出身を理由に辞職を迫る差別ハガキが届いた。また、同町役場幹部、町教育関係者にも差別ハガキが送りつけられてきた。
 差別ハガキは、実在しない「立花町子ども育成会」を名乗り、ハガキの内容もAさんが所属する社会教育課主催の行事やAさんの役職としてのジュニアリーダー、地域での中学校PTA副会長の立場、さらに同町が広報誌で掲載した人権啓発にまでおよんでいる。
 7通日のハガキが届く前には、Aさん宅に空き巣が入る事件も起きている。
 6月12日現在で計8回、18通が執拗に送りつけられ、内容はますます陰湿、エスカレートしている。

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