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部落問題資料室
NEWS & 主張
同じ学校で3回
「将軍、老中…えた、ひにん」
御代田中学で生徒が差別発言
「解放新聞」(2006.07.03-2275)
 【長野支局】「将軍・老中…えた、ひにん」と、御代田中学校生徒による差別発言事件の第1回確認会を5月18日、御代田町人権啓発センターでひらき、10年間で3度も同じ中学校で差別事件が起き、教員が部落問題をきっちり教えてこなかったことが明らかになり、引きつづき第2回確認会を開催していくこととなった。

連続する原因は

 確認会には、佐久地区協の山浦励一議長をはじめ部落解放同盟側から9人が参加。御代田町からは土屋清・町長ら町教委、学校関係者ら28人が出席した。
 確認会では、御代田中学校と町教委から、事件の経過や、これまでのとりくみと問題点、今後のとりくみの方向をまとめた報告書が提示された。
 会場からは、「小・中学校のどの段階(学年)で身分制度や部落問題をどこまで、どのように教えているのか」「教わった子どもたちの意識はどうなったのか」「なぜ子どもたちのなかで階級・身分差別の会話や意識がでてきたのか」などを追及するとともに、「江戸時代の身分をきりだしたときに、あの言葉がでるのではと不安に感じていた。心のなかでいわないでと願っていた」と話している解放子ども会員Fさんの心情、悲しみをしっかり受けとめてほしい、と訴えた。また、教える側の教員1人ひとりの部落問題にたいする意識の格差などの課題も提起された。
 小・中学校側からは、これまでのとりくみを報告するとともに、指導内容や教員間の連携が不十分な点などの反省点や課題を掘り下げていくことを確認した。
 土屋町長は、「御代田町のまちづくりの柱に人権尊重を据えている。御代田中学校で起きた差別事件は3回とも同じような内容となっており、過去の教訓が生かされてこなかったことが問題。行政としても、どこに原因や問題があるのかを考えていきたい」とのべた。

事件の概要
 御代田中学校で06年5月1日、3年生女子生徒9人が下記(図面参照)の席で給食の準備中に、Aが「今日は、私大貧民だ」といい、その後、AとEが将軍・老中・町民・平民・庶民と順に発言しながら、Eが最後に「えた・ひにん」と発言した。
 さらに、同じ席で給食をとりながら、Aが「えた・ひにんって何している人?」とBに聞く。Bは「わからない」と答え、隣のCに聞く。Cは「何それ?わからない」と答え、それを聞いていたHも「私も知らない」と答えた直後、Aは「江戸時代に差別された人」と発言した。
 その場にいた御代田町馬瀬口解放子ども会員のFさんが、同じクラスの男子生徒とともに、職員室にいた担任教員に、言葉につまり涙声になりながら訴えて、この差別発言が明らかになった。

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