「解放新聞」(2010.01.25-2454)
浄土宗の差別戒名物故者追善法要が11月19日、東京・文京区の傳通院で営まれた。導師の里見法雄・浄土宗宗務総長とともに各地から僧侶150人が参列した。部落解放同盟からは組坂委員長、田川中執ほか県連代表者が参列し、読経のなか差別戒名を抱いた物故者にたいして焼香した。
法要の最後に里見宗務総長が主催者あいさつし、「差別戒名墓石のうち、1646墓の訂正がおこなわれた。しかし、352基が改正できていないことをお詫びする。宗祖の教えにたちかえり、いっそうの努力をする」とのべた。
組坂委員長は、「立派な差別戒名追善法要がおこなわれたことに参列者を代表して感謝する。差別戒名をつけたという深い懺悔(さんげ)の気持ちがこのような法要になったと思う。同時に国内のさまざまな差別撤廃に努力されていることを承知している」と謝辞をのべ、インドのヒンズー教からの改宗したダリットの仏教徒運動や故松本治一郎委員長の人がらにふれながら、「まことに、あたたかい法要だった。差別戒名をつけられた先人も迷わず成仏すると思う」とのべた。
この法要に先立ち長野県上田市にある「信濃デッサン館」と「無言館」館主である窪島誠一郎さんが講演した。「絵のこと、生命のこと―戦没画学生の絵が伝えるもの」と題しておこない、自身の戦争の記憶と義父母への反発と感謝の思い、戦死した画学生の画集との出会をとおして、無念の思いを残したまま戦死していった若者たちの絵の展示館開設への葛藤と執念を語った。
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