新年のご挨拶

部落解放運動の新たな展望を切り拓く、
連帯と協働の闘いを大きく前進させよう

 

 新しい年を迎え、人権と平和、民主主義、環境の確立にむけた部落解放運動の前進を誓い合いたいと思います。

 昨年は、全国水平社創立100年という大きな節目を迎え、あらためて「全国水平社宣言」の精神を原点にしながら、新たな部落解放運動の展望を切り拓くために全力で闘い抜くことを確認することができました。

 一方、いまだに新型コロナウイルス感染症の拡大は収束しないままにもかかわらず、岸田政権は、感染症対策より経済を優先させ、軍事費増大のための増税を強行し、政治的軍事的にも対米従属をいっそう深めています。

 とくに、昨年12月16日の安保3文書の閣議決定は、長期化するウクライナ戦争や「台湾有事」を口実にして、戦後安全保障政策を転換させ、まさに「戦争をする国」づくりを本格化させるものです。私たちは、「戦争は最大の人権侵害である」ことを広く訴え、憲法改悪を許さず、人権と平和の確立にむけて全力で闘いましょう。

 また、狭山再審の闘いも大きな山場を迎えています。鑑定人尋問などを実現させ、再審-無罪をかちとるために、全国の仲間の力を結集して、石川一雄さん無実の世論を大きく拡げなければなりません。緊急署名は、昨年10月29日に提出した約10万筆の第1次署名に続いて、第2次署名も、昨年末の段階で13万筆以上の署名が集約されています。各地の住民の会や部落解放中央共闘会議の加盟労組、同宗連などの取り組みに心から感謝申し上げます。

 さらに、インターネット上の部落差別情報対策では、悪質な動画削除などの一定の成果があったものの、いまだに悪質な差別動画、差別言動が放置されたままです。鳥取ループ・示現舎裁判闘争の完全勝利、行政書士による戸籍等不正取得事件の真相究明の取り組みとともに、あらゆる差別や人権侵害の救済にむけた国内人権委員会の設置を中心にした人権侵害救済制度の実現にむけて、ともに取り組みを強めましょう。

 本年も、全国水平社創立以来の闘いの歴史を受け継ぎ、部落解放-人間解放の崇高な使命を自覚して、全国の仲間とともに、部落解放運動の展望を切り拓く、勝利の年にむけて奮闘しましょう。

2023年1月

部落解放同盟中央本部
執行委員長 西島 藤彦

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