新年のご挨拶

人権と平和の確立にむけて部落解放運動を大きく前進させよう

部落解放同盟中央本部
中央執行委員長
組坂繁之

 新しい年を迎えるにあたり、部落解放同盟に結集される兄弟姉妹の皆さん、そして連帯・協働の取り組みをともにすすめていただいている皆さんの活動に感謝申し上げます。
  昨年3月に起きた東日本大震災と福島第1原発事故によって、多く方が犠牲になり、いまだに多くの人たちが避難を余儀なくされています。また、9月には、台風などで全国各地でも大きな被害が出ました。心よりお見舞い申し上げます。とりわけ津波による大きな被害を出した東日本大震災は、自然災害によるものとはいえ、その後の復興支援の遅れや原発事故の対応は、被災地のみなさんはもちろんのこと、私たちの生活にも深刻な影響が出ています。私たち自身の日々の生活のありようを深く問い直すことが求められていますし、何よりも人と人の関係を豊かに繋ぎ直すことをめざす部落解放運動ならではの復興支援の取り組みをすすめていきたいと思います。
  さて、本年は全国水平社創立90周年という大きな節目の年です。先達たちが血の滲むような苦闘の中で築きあげてきた人権と平和の確立を求める闘いを受け継ぎ、部落解放運動を大きく前進させていきたいと思います。とくに「人権侵害救済法」早期制定の取り組みでは、昨年、政府はようやく法案の概要を公表しました。さらによりよい法案にするために全力を上げ、早期制定をめざして闘いを強化しなければなりません。また、狭山再審闘争では、この間の3者協議のなかで証拠開示をかちとるなど再審実現にむけた闘いを大きく前進させてきました。
  一方、いまだに経済の低迷が続き、格差社会のもとでの不安定な雇用状況や貧困の問題が解決されていません。こうした閉塞する社会情況を反映して、土地差別調査事件や戸籍不正取得事件をはじめ、インターネット上の差別情報の氾濫など、悪質で確信犯的な差別事件が起きています。私たちは、部落差別撤廃にむけた広範な取り組みをすすめるとともに、人権と平和の確立にむけた政治の実現を共通の目標にしながら協働の闘いを強化していくことが求められています。
  さらに、「人権教育・啓発推進法」の活用、生活や福祉、「人権のまちづくり」運動などの具体的な課題で、地域における部落解放運動を着実に前進させ、支部組織と運動を活性化させることが重要です。
  本年は全国水平社創立90周年です。大きな節目の年にふさわしい闘いをすすめ、部落差別撤廃、人権と平和の確立にむけた連帯・協働の取り組みを大きく拡げるためにともに奮闘しましょう。

 

トップページへ


「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)