新年のご挨拶

部落解放運動のさらなる前進をかちとる年に

部落解放同盟中央本部
中央執行委員長
組坂繁之

 新しい年を迎えるにあたり、全国の兄弟姉妹の皆さん、そして連帯・協働の取り組みをともにすすめていただいている皆さんに感謝申し上げますとともに、人権・平和、民主主義の確立にむけて心新たに闘いを前進させていくことを誓い合いたいと思います。
  一昨年の衆議院総選挙で誕生した安倍政権のもとで、生活・福祉や労働法制の改悪が打ち出されるとともに、憲法改悪策動が強まり、「秘密保護法」の強行採決など、「戦争をする国」づくりにむけた国権主義、反人権主義の政治がすすめられています。しかしながら、わたしたちは、いかなる政権であろうとも、人権・平和・環境、民主主義の確立を基軸にした政治の実現、とくに人権侵害被害救済制度をはじめとした人権の法制度の確立をめざして全力をあげなければなりません。
  さらに、東日本大震災への復興支援の取り組みにあたっても、復興支援から取り残されることの多い社会的マイノリティへの支援を中心に、これまで以上の活動をすすめていきたいと思います。
  また、50年を迎えた狭山の闘いも、三者協議の中で不十分ながらも証拠開示をかちとるなど、大きく取り組みを前進させてきました。東京高検の証拠隠しは許されません。いよいよ本年は、闘いの正念場です。50年を大きな節目として、パネル展や映画「SAYAMA」の上映運動をすすめるとともに、証拠開示-事実調べを求めて、石川一雄さんの無実を広く訴え、狭山再審の重い扉をこじ開けるために全力で闘い抜きましょう。
  今日、格差・貧困が深刻な社会問題化する中で、ヘイトスピーチをはじめ、悪質な差別事件や人権侵害事件が多発するとともに、差別排外主義による確信犯的な差別扇動が横行しています。さらに、土地差別調査や大量戸籍等不正取得事件が発覚しています。土地差別調査や大量戸籍等不正取得事件など、部落を忌避し、差別-排除する陰湿な差別事件も続いています。私たちは、いっさいの差別を許すことなく、差別糾弾闘争を強化し、差別を社会悪として、その実態を訴えていくことが必要です。
  戦前回帰の反人権主義、国権主義が台頭しようとするきびしい政治情況ですが、多くの先達の苦労に想いを馳せながら、全国の兄弟姉妹たち、連帯・協働する仲間たちと固く団結し、人権・平和・環境、民主主義の確立を基軸にした部落解放運動を大きく前進させましょう。

 

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