全国水平社創立八十年の歴史と伝統を受け継ぎ、
強固な組織建設と部落解放運動の前進をかちとるための決議
一九二二年三月三日、京都岡崎公会堂で開催された全国水平社創立大会は、部落解放運動の歴史的な出発点であり、また日本における差別撤廃と人権確立を求める闘いの夜明けであった。創立大会では、恩恵的な部落改善政策を拒否し、同情融和的な運動との決別を高らかに宣言した「水平社宣言」を採択し、自らを「自由、平等の渇仰者であり、実行者であった」として「エタである事を誇り得る時が来たのだ」と謳いあげ、部落解放・人間解放にむけた自主的な闘い、すなわち「人間を尊敬する事によって自らを解放せんとする者の集団運動を起こせるは、寧ろ必然である」として部落解放運動のめざす方向を明らかにしたのであった。
今日、われわれがすすめている部落解放運動は、こうした全国水平社の闘いを原点にしながら、今まさに「人権の二一世紀」実現にむけた闘いの中心となって、反差別共同闘争の成果を大きく確かなものにしている。とくに「地対財特法」後の「同和」行政・人権行政の確立をめぐる闘いは、「人権教育・啓発推進法」の実現や人権救済制度をめぐるとりくみなど、日本の人権政策確立にむけた広範な国民運動としてすすめられている。また、狭山再審闘争や差別糾弾闘争、反差別国際連帯運動でも、多くの人びとと連帯・共闘を強化し闘いがすすめられている。
こうした部落解放運動の成果は、全国水平社以来の多くの諸先輩たちの血の滲むような苦闘から生み出されたものである。こうした苦闘の中から生み出された部落解放運動の前進をさらに確固たるものにしていくために、何よりも強固な組織建設が求められている。全国の都府県連組織が一丸となって、部落解放・人間解放を実現していく強固な組織建設を実現し、人権政策確立にむけた闘いを大きく前進させよう。
今こそ、「人の世に熱あれ 人間に光あれ」と、差別と迫害に抗して闘い続けられた全国水平社以来の部落解放・人間解放の闘いの炎を引き継ぎ、全国水平社創立八〇周年を大きな契機として、ともに闘いの勝利にむけた歩みをすすめよう。
右 決議する。
二〇〇二年五月十日
部落解放同盟第59回全国大会
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