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部落問題資料室
部落解放同盟ガイド
決議・宣言

「部落解放基本法」制定を求める闘いの成果をふまえ、
部落解放・人権政策確立、人権行政としての
「同和」行政の創造をかちとるための決議

全国水平社創立八〇周年という年を迎え、全水創立の原点に立ち返り、部落解放への確かな一歩を踏み出す時代が始まろうとしている。同時に、三十三年間にわたって実施されてきた「特別措置としての同和行政」は「地対財特法」の期限切れとともに基本的には終了した。まさに、これからの部落解放運動をどう切り拓くのか、どう展望するかを問う大会となった。
「部落解放基本法」制定を求める広範な運動の中で、「人種差別撤廃条約」の加入実現、「人権教育のための国連10年」推進本部の設置、「人権擁護施策推進法」の制定、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」の制定、問題点を残したものの「人権教育・啓発に関する基本計画」が閣議決定された。
また、現在開会中の第百五十四通常国会に 「人権擁護法案」 が提出されている。この「人権擁護法案」は 「部落解放基本法」 案に盛り込まれた 「規制・救済法的部分」 に関わる重要な闘いである。部落差別をはじめとした差別の明確な禁止、人権委員会を法務省から切り離し内閣府の外局とすること、都道府県レベルでも人権委員会を設置すること、適切な人材が委員として選任されること、マスメディアの正当な報道やわが同盟の糾弾闘争などが損なわれないこと、国連の「パリ原則」を踏まえ、世界に誇りうる法制度の整備をおこなうことを求め、当面抜本的な修正を求めていくが、国会審議しだいでは重大な決断も辞さない覚悟で闘う。
また、「地対財特法」 期限切れに伴い、 今後の 「同和」 行政を重要な柱とする人権行政の創造を求める運動と組織を再構築することが重要である。そのさい 「地対財特法」 の期限切れが 「同和」 行政の終結を意味するものではないことを明らかにしなければならない。部落差別が存在する限り、国および自治体は部落差別を撤廃するための行政、すなわち 「同和」行政を積極的に推進していく責務がある。「特別措置」 か 「一般施策」 かは 「同和」 行政を推進していくさいの手法のちがいの問題である。昨年の 「大行動」 のなかで確認された部落差別が現存する限り 「同和」 行政は推進されなければならないという関係自治体の首長の回答の実行を求めていくとともに、「総合行政としての」「人権行政の重要な柱としての」「同和」 行政を推進することを再度確認させねばならない。今後の 「同和」 行政は何よりもまず、部落大衆の自立支援に役立つものでなければならない。このためには部落大衆の悩みや要求に対する相談活動の強化、また課題別に要求者を組織し、その実現に向けてともに闘うことも大切なことである。
「部落解放基本法」制定闘争のこれまでの成果をふまえ、 部落解放・人権政策確立を求める一大運動へと発展させ、 行政闘争を強化しながら、 人権行政の重要な柱としての「同和」行政の創造をかちとろう。

 右、決議する。
 二〇〇二年五月十日
部落解放同盟第59回全国大会


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