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部落問題資料室
部落解放同盟ガイド
声明

「行政手続きオンライン化(電子政
府)関連3法案」の可決に抗議する

 政府は、「住基ネット」情報の利用できる適用事務を、当初の九十三事務から二百六十四行政事務まで拡大するための条項を「行政手続きオンライン化関連三法案」にもぐりこませ、参議院で抜き打ち可決し、十二月六日に衆議院でも可決、成立させた。このことに、私たちは強く抗議する。
 そもそも、この法案が、「住基ネット」が実施もされていない今年六月に提出されたこと自体、それまでの「安易な適用事務の拡大はしない」という政府説明と大きく矛盾しているのである。この適用事務拡大が、現在、違法状態で強行的に実施しながら、そのことに対する批判から四百万人もの離脱者を出している「住基ネット」による住民支配を、より強固にすることを目的にしているのは明白である。つまり、国民総背番号制を通じての管理支配体制の強化である。
 電子政府(e-Japan)構想と「住基ネット」とは、本来無関係であり、「住基ネット」抜きで、電子政府は可能なのだ。であるにもかかわらず、住民への利便性を全面に押し立てながら、差別に結びつくセンシティブ情報がどのように流通し、漏れるかわからない上に、自己情報のコントロール権すら奪う、「住基ネット」とむりやり結合させることで、その危険な本質を覆い隠そうとしている。
 さらに、自己認証のためにという理由づけから、企業とともに開発し、さまざまな形で使用できることを前面に打ち出した「ICカード」の携帯を、事実上、義務化することも検討されている。この「ICカード」こそ、住民の全生活の把握、管理を可能とするシステムであり、これが「住基ネット」の最大のねらいなのである。
 私たちは、住民の個人情報を国家が統一的に管理しようとする「住基ネット」にはこれまでも反対をしてきたが、そのもとでの電子政府化構想にも断固反対することを、ここで改めて表明する。

二〇〇二年十二月十六日
部落解放同盟中央本部
執行委員長 組坂繁之

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