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部落問題資料室
部落解放同盟ガイド
声明

イージス艦派遣に
たいする抗議声明

 政府は本日、自衛隊のイージス艦のインド洋派遣を強行した。わが同盟は、戦争協力をより強めるこうした策動に断固抗議する。
 現在、インド洋には、昨年の「9・11同時多発テロ事件」以降、自衛隊の駆逐艦と補給艦が派遣されている。これは、米国の「われわれの側につくのか、敵につくのか、その意志を旗を見せることで示せ」との恐喝的な要請にもとづいて続けられているものである。ここでは、テロ勢力の一掃を掲げ、アフガニスタンで戦争をおこなう米軍に補給活動をおこなっている、とされているが実態は定かでない。こうした行為そのものが、「集団的自衛権」を禁じる憲法九条違反であり、明らかな戦争協力である。
 いま、世界は緊迫した空気のなかにある。それは、米国などが「悪の枢軸」と一方的に規定したイラク攻撃をいつ強行するかわからないという事態のなかにあり、実際、米国はイラク周辺の海域に四隻もの航空母艦を集結させている。こうしたなかでのイージス艦派遣は、日本政府が「米軍のイラク攻撃に自衛隊を活用」することを容認したものに他ならない。
 この間、自衛隊が派遣した駆逐艦、補給艦と異なり、イージス艦は広範囲にわたる情報収集能力、それをただちに他の艦船に転送することが可能であり、インド洋に派遣されている各国の艦船のなかで最大、最高の情報収集、戦闘能力を発揮することになる。こうしたイージス艦が、米国などがイラク攻撃を強行した場合、それとも連携を取りながら、日米などの共同作戦の要を担うことになるのである。
 わが同盟は、こうした戦争協力に断固反対する。イラクの大量破壊兵器開発問題などは、国連を中心にした話し合いで解決をめざすとともに、日本政府は国際社会の一員として、こうした話し合いに積極的な役割を果たすことに最大限の外交努力をすべきである。また、この間の戦争体制構築のための日本政府による策動、とりわけ有事法制化には、解放の父松本治一郎・委員長が言われたように、「戦争は最大の人権侵害」との立場から断固反対する。「世界人権宣言」が示すように、戦争に反対し、平和と人権を確立する不断の努力が求められているのである。
 わが同盟は、今回のイージス艦派遣が、憲法違反の戦争協力であることに抗議し、戦争の道につながるあらゆる策動に断固反対するものである。

二〇〇二年十二月十六日
部落解放同盟中央本部
執行委員長 組坂 繁之

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