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生命・人権・平和・環境を守り抜き、
「人権擁護法案」の抜本修正と狭山再審勝利への
証拠開示の立法化をかちとる決議

 20世紀は戦争の世紀であった。そして、迎えた21世紀は誰もが平和で人権が尊重され、環境が守られる世紀であることを願っていた。
 しかし、アフガン攻撃に続き、平和を求める国際世論を無視し、イラク武力攻撃を強行した米・英は世界を戦争と抑圧の時代へ戻そうとしている。しかも、小泉首相は「国際協調」の名のもとにこの蛮行への支持を表明し、有事法制化など戦争協力体制を強化しようとしている。戦争は、市民・子どもたちの尊い生命を奪いとり、未来のない社会を生み出す。私たちは、21世紀が平和で人権と環境が守られる世紀にしていくため、世界の人びととの共同・連帯の闘いをすすめていかなければならない。
 また、部落差別を撤廃し、人権確立社会を実現するために、人権の法制度の確立が重要な課題である。昨年3月、政府から出された「人権擁護法案」は、人権委員会の独立性や実効性、メディア規制について厳しい批判が出された。そして、名古屋刑務所事件をはじめとした暴行死傷事件で明らかになったように、法務省外局の人権委員会では独立性も実効性も保障されないことは明白である。私たちは、パリ原則に合致した、真に独立性・実効性のある人権救済制度の確立に向け、今通常国会が正念場となる「人権擁護法案」の抜本修正をなんとしても勝ちとらねばならない。
 さらに本年は、石川一雄さんが不当逮捕されてから、40年を迎える。東京高検は、「2、3メートルの証拠が手元にある」と認めたが、そのなかに未開示証拠がどれぐらいあるのか明確にされていない。私たちは、「狭山事件40年」を契機に総学習運動を展開するとともに、弁護団や全国の「住民の会」と連携しながら、事実調べ、証拠開示を求める闘いを強力に推しすすめなければならない。同時に、司法改革で証拠開示のルール化を求めるとりくみをすすめるなど、広範な共同闘争を前進させ、狭山再審勝利をかちとるまで闘い抜こう。

 右決議する。

 2003年5月10日

部落解放同盟第60回全国大会

 

 

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