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袴田事件・即時抗告棄却に抗議
再審の理念ふみにじるな
部落解放同盟中央本部が声明

 

 東京高裁は、袴田事件の即時抗告を8月27日に不当にも棄却した。部落解放同盟中央本部はただちに、この不当な棄却決定に抗議声明を出した。また、石川一雄さんも抗議のメッセージを発表した。全文を掲載する。

事実調べもおこなわず

 東京高裁第2刑事部が、十分な証拠調べもおこなうことなく、袴田事件の即時抗告を棄却したことに断固抗議する。東京高裁は、袴田弁護団からかずかずの新証拠が出され、10年間の審理にもかかわらず、これらの新証拠、弁護側の主張の十分な事実調べをおこなっておらず、再審制度の理念をふみにじるきわめて不当な棄却決定である。
 袴田事件は狭山事件の3年後におきたえん罪であるが、警察の見込み捜査、自白強要、証拠ねつ造などえん罪の構造は共通している。特別抗告審で、最高裁は、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則と「無辜の救済」という再審の理念に従って、十分な事実調べを保障し、再審への道を開くべきである。
 私たちも狭山事件の再審開始・無罪判決をめざして、最高裁にたいする特別抗告審の闘いをともに連帯して闘っていくことを訴える。
 同時に、こうした不当・不合理な裁判所の判断によって、えん罪・誤判が根絶できない司法の現状を変えていかなければならない。獄中処遇の改善や死刑制度の廃止、証拠開示の公正なルール化や取調べの可視化などを継続してすすめ、えん罪を教訓にし、誤判をなくすための司法改革に多くの人たちとともにとりくんでいくことを訴えたい。
 ともに頑張ろう。

2004年8月27日
部落解放同盟中央本部

石川一雄さんのメッセージ

 袴田巌さんの無実の訴えが認められず、東京高裁が棄却決定を出したことは非常に残念です。とくに、私自身も1審で死刑判決を受け、「確定前」に東京拘置所にいたとき、巌さんとは、おたがいにえん罪を訴えているという話をしました。いつもボクシングの練習をして、元気で闘っていた袴田巌さんを思い出すと、高裁の決定は本当に残念でなりません。袴田さんは「はけないズボン」で有罪にされたが、私は「はけない地下足袋」で犯人にされました。しかし、真実は一つ。真実が認められるまで袴田さんにも頑張ってほしいと思います。わたしも再審で無罪をかちとるまで、ともに頑張りたい。取調べの実態や自白の強要、証拠の不開示など、えん罪者の声をもっと司法は聞いてほし。

2004年8月27日
石川一雄

 

 

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