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確認会で居直り
「行政のデッチあげ」と
差別問い合わせを否定

「解放新聞」(2004.10.25-2191)

 

 【滋賀支局】「野洲町の○○番地は同和地区かどうか教えてほしい」と大津市の不動産会社(Sハウジング)による不動産物件差別問い合わせ事件(2189号で既報)の第1回確認会を9月22日、大津市中央公民館でひらいた。事件の当事者であるSハウジングのH社長は、差別問い合わせの事実を否定し、野洲町行政が自分を差別者にデツチ上げたものと主張した。次回の確認会であらためて事実確認をすることになった。

「同和地区か教えて」

 確認会には、差別問い合わせをおこなったSハウジングH社長をはじめ、大津市、野洲町、県など行政関係や(社)滋賀県宅地建物取引業協会、(社)全日本不動産協会の役員ら45人が参加した。
 県連は、今回の差別事件は、92年に草津市で発生した差別問い合わせ事件を教訓にした行政、不動産業界のとりくみに逆行する重大な差別事件であり、Sハウジングは宅建免許をもち宅地建物取引業協会の会員企業でもあり、業界の研修のあり方や行政指導のどこに問題があつたのかを明らかにしたいと確認会の趣旨を説明した。
 そのあと、大津市、野洲町行政から、今回の不動産物件差別問い合わせ事件の概要とSハウジングのH社長にたいする聞き取り調査の報告をおこなった。
 H社長は、差別問い合わせについての事実確認に移ると、同和地区かどうか問い合わせたことはないと否定した。さらに、3ページにおよぶ人権問題返答書を用意して▽この地域で生活することになったら地域の内部で被差別者になり基本的人権が守られない▽県の人権施策基本方針にある相談支援体制の充実実践にとりくんでいる役所の窓口に聞けば公平な立場でいろいろと相談にのり支援してくれると思った▽ところが野洲町の担当部門は、被差別者となることを懸念する相談で逆に差別者とされてしまう恐ろしい罠であると、居直った。また、「同和」地区にだけ税金を免除するなどの政策を廃止して、逆に「一般」地域に出て行く人に奨励金を支給するなどの政策こそ部落解放の効果を高めると主張した。
 事実確認は進展せず、次回の確認会に持ち越した。Sハウジングは、H社長が5年前に大津市で開業、個人で営業している。

事件の概要
 04年7月16日、野洲町役場人権施策推進課に大津市のSハウジングを名乗る人物から電話がかかってきた。
 「野洲町の○○番地は、同和地区かどうか教えてほしい。同和地区の範囲に入るのか入らないのかを説明しないとだめなので」という内容であった。
 対応した職員がさらに聞くと「不動産やっていて、そこを売買します。そのなかで、同和地区に入るか入らんかというのを説明しなければならない。どのように説明すればいいのか教えてほしい」と開いてきた。

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