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部落問題資料室
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声明

 

部落解放同盟古市支部元支部長(元奈良市協副議長、元県連統制委員)・Y氏問題についての中間見解(再生への決意)

 部落解放同盟古市支部元支部長問題で、奈良県連は、11月7日付で左記の中間見解(再生への決意)を公表した。掲載する。

 10月半ば以降、マス・メディアで大々的に報じられている標記人物が行ったとされる諸問題にかかわって、この間取り沙汰されているさまざまな事柄に対し、部落解放同盟奈良県連合会として、今の段階での「中間的見解」を明らかにします。
 未だ全容が明らかになっているわけではないので、詳細な事実関係を踏まえた最終的な見解は後日あらためて明らかにしたいと思いますが、少なくともY氏がわが同盟の地位を利用し、さまざまな背景がからみ合っているとはいえ、各方面に圧力を加えていた可能性はきわめて強いと言わざるを得ません。奈良市民ならびに県民のみなさん、それに、この間わが県連に連帯してきていただいた多くの方々、そしてわが兄弟姉妹に心から謝罪いたします。
 約12年間、そのような行為を把握できないまま古市支部支部長として容認し続けてきたわが県連の不明を恥じ、また今から約5年前には、県連統制委員に就くことまで許してしまった執行部の不明もまた十二分に恥じなければならないと思っています。
 Y氏に対するわが県連としての処分は、先月27日に開かれた県連統制委員会によって、除名処分相当ということになりました。しかしわが県連は、それをもって「事足れり」とは決してしないつもりです。むしろ今回起きた一連の事々を奇貨として、部落解放運動の本来あるべき姿を求めつつ、そのために必要な諸改革を、全身全霊を以って断行していく旨、今誓い合っているところです。
 わが県連では、約10年前より「両側から超える」というスローガンを打ち出し、差別の壁を乗り越えていくために、むしろわれわれ自身の側のいたらなさや反社会的行為をこそ積極的に変えていこうと努力し続けてきました。今年度も、特別措置法失効後の各支部の活動や組織の状況を厳しく点検すべく、8月29日から9月10日まで支部巡回指導を行い、大阪や京都と類似の問題はないか、同盟員の「エセ同和」行為や不正行為等がないかといった点についても、調査・点検してきたところであります。しかし、にもかかわらず今回の問題が発生したのは、そうした取り組みが成果をあげてこなかった、ということであり、わが同盟はこの事実を厳しく受け止めています。
 つきましてはわが県連として、今や地に墜ちてしまっているに違いないこの運動の再生を何としても図り、「吾らは人間性の原理に覚醒し、人類最高の完成をめざして突進す」とした水平社綱領の理想を、現実のものとしうる組織に変革していくべく以下に記す「当面の改革案」を一つひとつ、愚直に進めていきたいと思っています。

1.部落解放同盟奈良県連としての対外的活動を、当分の間停止する。
2.その間に、「同和対策特別措置法」(4年前に失効)下33年間の「膿」を出し切るため、組織の点検・改革を重大な決意の下に行っていく。
3.わが県連が10年来強調し続けてきた、「両側(部落と部落外)から超える」の実質化を目指し、学者・法律家・行政経験者等、組織外から積極的に委員を招いた「組織改革委員会」を、早急に立ち上げ半年ないし一年の内に答申を得る。
4.組織内から「エセ同和」行為を徹底的に排除する。そのために情報提供窓口を部落内外に向けて設置し、すぐさま対応できる体制を整える。

 以上、関係者の皆さんの御理解と、今後の解放連動の再生に向けた積極的な御協力を心からお願い申し上げます。
 2006年11月7日
 部落解放同盟奈良県連合会

 

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