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部落問題資料室
NEWS & 主張
みずからの責任を放棄
Y講師以外にも数件
代ゼミ差別事件で糾弾会
「解放新聞」(2006.01.23-2253)
 有名予備校である代々木ゼミナール(代ゼミ・学校法人高宮学園)の講師による差別発言事件(21992238号既報)の糾弾会を12月12日、東京・中央本部でおこなった。2回の確認会をへておこなったもので、代ゼミ側から高宮英郎・法人本部統括本部長ら4人と差別講義をしたY講師が出席した。解放同盟側は、谷元書記次長、中田幸雄・鳥取県連委員長、藤本忠義・東京都連副委員長のほか、差別講義を受講し告発した女性2人も参加した。
 この日の糾弾会でY講師にたいする糾弾は終了したが、同盟の指摘で調査した結果、Y講師以外にも部落差別にからむ差別講義が多発している事実が判明、代ゼミ側の体質について糾弾を継続することになった。
 代ゼミにたいしては、前回Y講師以外の差別事件について具体的な調査を求めていたが、把握しているだけでも数件にのぼる部落差別発言や性的マイノリティにたいする差別発言などの事実が明らかになった。どれも被差別部落やマイノリティを笑いのネタとすることで共通しており、Y講師の差別発言以降にも起きている。東京都からの指導も受けながら、具体的な対策を取らずにいたことを重視、代ゼミとしての人権研修の推進体制について問いただした。代ゼミ側は、「講師の個性」や差別にたいして「いろいろな受け止め方がある」とみずからの責任を放棄したような答弁に終始したため、糾弾を継続し再度話し合うことを提起した。

一人ひとりに謝罪したいと反省
代々木ゼミY講師が差別発言で

 12月12日、東京・中央本部でおこなった代々木ゼミナールの講師による差別発言事件の糾弾会は、事前に提出された反省文をもとにすすめた。
 Y講師は、反省文のなかで「差別をした私には、差別側の痛みに少しでも近づこうと努める責任がある」「講義は、日本全国の高校と予備校へ10回放映されました。できれば1人ひとりに謝罪したい気持ち」とのべた。
 この差別講義を告発した女性は、「笑いのネタにされ、周りの受講生は笑っていた。本当に恐ろしく怖かった。ひと月も悩んだ。後で謝罪のビデオも見たが、最後に『それだけです』と誠意のない、開き直ったような言い方がショックだった。Y講師の発言だけに影響が大きく、黙ってはいられなかった」とのべ、「謝罪がほしいのではない。Y講師に変わってほしい」と訴えかけた。Y講師は、「時間がかかるかもしれないが部落にもいってみたい。授業のなかでも取りあげてみたい。長い目でこれからの姿勢を見守ってほしい」と反省と決意をのべた。

予備校・代々木ゼミナールの講師による差別発言事件の概要

 この事件は、Y講師が03年5月におこなった古文の講義のなかで「自分は若い頃、暴走族に入って幹部をしていた。警察に捕まり、刑務所で過ごしたこともある。刑務所にいるときは、暴走族の幹部をしていたこともあり、周りからは、一目置かれていた。しかし、刑務所にいる人間のなかでも、強姦などで入った者は、エタ、ヒニンのような扱いであった」と発言。

 講義は録画され、その後全国の提携校で放送された。

 この講義を04年5月に鳥取県で受講した生徒が鳥取県連に告発した。
 Y講師は、03年9月にも講義のなかで同様の発言をして、謝罪したビデオを収録し配布していたが、今回の発言は、それ以前になされたもの。
 当時の謝罪は、Y講師が代ゼミ側から「とにかく謝罪を」ということで本人が、「何が部落差別か」を納得しないままなされた不十分なものだった。それを「謝罪」としてすませてきた代ゼミ側の責任も大きい。
 しかも、このビデオは、指摘をされた03年9月の講義以前のもので、代ゼミ側がなんらチェックをしないで全国へ貸し出しをしていた。

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