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部落問題資料室
NEWS & 主張
差別をなくす思いで
教師と保護者が率直に語る
東御市東部中学校
生徒差別発言事件
「解放新聞」(2006.04.03-2263)

 【長野支局】生徒同士の会話で「それじゃ、えた、ひにんだね」――東御市東部中学校生徒差別発言事件(2252既報)の確認学習会を、12月19日、東御市東部人権啓発センターでひらき、教師から率直な思いや意見が出たが、「差別をなくそうという思いで教えないと変わらない」と、東御市協を中心に学校との話し合い継続となった。

確認学習会に90人

 確認学習会には、県連、上小地区協、東御市協から20人、柳沢英夫・同市教委教育長をはじめ同中学校長、教職員ら70人が参加した。
 東御市協の西藤千代子・会長が「積極的に意見を出してほしい」とあいさつしたあと、東部中学校が今回の差別事件について「以前にも同校で差別事件があり、その後、江戸時代の身分制度をどう教えていくか検討するなかで、生徒たちが軽はずみに「賤称語」を使ってはいけないと思い、「えた、ひにん」という言葉は授業のなかで使わず、生徒たちには「身分上差別された人びと」と置き換えて教えてきたことが一番の反省点だった」と報告した。
 それにたいし、参加者から①「えた、ひにん」の言葉を避けても教科書には、きちんと記述されているのが現実。今後どう教えていくのか②生徒は、部落問題を何時間かけて学んでいるのか③小・中学校の連携はどうだったのか、など市教委や学校側を問いただした。
 さらに、東御市解放子ども会の保護者らからは、「部落差別が現実にあるなかで、子どもから、差別と向き合うのが怖いといわれた」「教えるときは、教師自身が差別をなくすんだという気持ちをしっかり伝えないと、生徒も同じ気持ちにならないと思う」などの訴えもあった。
 同校は、①反省点を見直した時点で「賤称語」を教えていく②小学校での人権教育の内容に温度差があるのは事実、小・中学校の連携は具体的にやっていきたい、と答えた。
 また、同市教委や同校の教師からも、「「えた、ひにん」をあつかうことによって、差別発言する生徒が一人でも出たら困るという意識があった」「授業であつかうのが怖かった」「前任校では、人権教育のなかで同和問題はまったくやってこなかった」「部落差別があるなか、差別をなくしていくことにつながっていなかったことを強く反省している」など、率直な思いや意見が出された。
 県連の山崎茂・書記長が「差別を何としても、なくそうという思いで教えないと変わらない。学校や市教委は総括・議論を継続してほしい」とまとめた。

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