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声明

 

柳澤伯夫厚生労働大臣の女性蔑視発言に対する抗議声明

 1月27日、柳澤伯夫厚生労働大臣が自民党関係者の集まりで、「15歳から50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭でがんばってもらうしかない」との発言をしたことが報道された。
 このように女性を単に子どもを産む機械とする発言は到底許されるものではなく、厚生労働大臣としてはもちろんのこと、ひとりの人間としても恥ずべき暴言であり、この発言に強く抗議するとともに、厚生労働大臣の辞任を要求するものである。
 先の内閣府の調査でも、配偶者や恋人から暴力を受け、離れて生活している被害者の女性のうち半数以上が夫や恋人の「追跡」(ストーカー行為)を受けた経験があり、女性への経済的な支援とともに自立支援の体制強化が大きな課題になっていることが報告されている。また、保育所問題や育児休暇制度など、働く女性をとりまく状況の改善も指摘されているところである。
 いうまでもなく、子どもを産む、産まないは個人の選択であり、とりわけ産む性の女性が自己決定するということは国際的な合意にもなっている。私たちは、今日の社会の現状が、多くの女性にとって子どもを産み育てることを躊躇させていると痛感しており、女性が安心して子どもを産み、育てていくことができる環境をつくっていくことが、今後の少子化対策の大きな課題であると考えている。
 今回の発言は、こうした少子化対策を中心的に担うべき柳澤厚生労働大臣が自ら「女性は産む機械である」と、女性を道具扱いし、女性の人格を否定、蔑視したものであり、さらには不妊に悩む女性への配慮にも欠ける暴言でもある。近年の自治体で制定されている「男女共同参画条例」などへのバッシングにも、この発言にみられるような女性蔑視の意識が大きく影響しているのである。
 私たちは、男女平等社会の実現にむけてさらに取り組みをすすめるとともに、あらためて今回の柳澤厚生労働大臣の女性蔑視発言に強く抗議し、厚生労働大臣の辞任を求めるものである。

2007年1月31日
                   
部落解放同盟中央本部
執行委員長 組坂 繁之
女性対策部長 岸田 章子

 

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