「教育振興基本計画」に「人権教育の推進」を求めるパブリック・コメントを
2.人権教育に全く触れられていない特別部会(案)
しかし、「教育振興基本計画」のたたき台になる②③では、全く人権教育に触れられていない。かろうじて、②で「世代をまたがる社会的・経済的格差の固定化への懸念」(P6)「教育は、人格の完成を目指し、個性を尊重しつつ個人の能力を伸張し」(P7)、「グロ―バル化が一層進むと共に、・・・・・・・異文化との共生がより強く求められるようになる」「持続可能な社会の構築に向けた教育の理念がますます重要となる」(P9)、③で「異なる文化的背景を持つ人々との相互理解を深め、・・・・各学校段階における国際理解教育を充実する」、といった内容が盛り込まれているにすぎない。
3.国内外の人権教育の流れと連帯し、「人権教育の推進」の位置づけを
1995年度より世界中に人権文化があふれることを目標に「国連・人権教育の10年」がスタートし、日本国内では2000年に「人権教育啓発推進法」が制定され、その具体化の一環として本年文科省「人権教育の指導方法等のあり方」に関する「第3次とりまとめ」(案)が示されている。また国際的には「国連・人権教育の10年」の後を受けて、2005年度より「人権教育の世界計画」第1段階(初等中等教育の人権教育)の取組みが3年間(2007年9月、人権理事会で2年間延長が決議された)進められてきている。さらには並行して、「国連持続可能な開発のための教育の10年」が2005年度から取組まれており、日本政府も支持してきたものである。
こうした国内外の人権教育の流れを見た時、検討されている「教育振興基本計画」に「人権教育の推進」が盛り込まれていないことは全く理解できないことである。
これまでの同和教育の成果を踏まえた人権教育を一層推進させるためにも、そして小中高校は言うまでもなく大学・大学院教育研究においても「人権教育の推進」が実現されるよう、パブリック・コメントで「人権教育の推進の明記」を求めていく必要がある。関係者の積極的な意見応募を求める次第である。
2007年11月
部落解放同盟中央教育対策部
意見案①
意見案②
【参考資料】
①教育振興基本計画の策定に向けた意見の募集について/文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/07110901.htm
②教育振興基本計画特別部会(第9回/2007.11.8)議事録・配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo7/shiryo/07110902.htm
資料1 検討に当たっての基本的な考え方について(案)(PDF:39KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo7/shiryo/07110902/001.pdf
資料2 重点的に取り組むべき事項について(案)(PDF:84KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo7/shiryo/07110902/002.pdf
※上記資料は、各自ウェブサイトより入手の上、参照してください。