【埼玉支局】県連は、3月28日、蓮田市役所で「岩槻差別発言事件」の第1回糾弾会をおこなった。この差別事件は、岩槻支部の桑原雅吉・支部長が経営する雑貨店で、蓮田市在住の男性Fが2日間にわたって4本指を出し「ちょうりっぺ」と差別発言をくり返したもので、2月10日の事実確認会(2313号既報)をふまえて糾弾会をひらいた。差別発言をしたFは、部落にたいする認識を「朝鮮から来た人で、おっかない人たちだと思っていた」とのべた。
岩槻差別発言事件糾弾会で
糾弾会には、発言をしたFをはじめ、行政側から蓮田市の中野和信・市長、関口茂・教育長ら幹部職員49人が出席。また、同市校長会、人権擁護委員ら人権教育推進委員会構成団体の37人も参加。県連からは、差別発言を告発した桑原支部長をはじめ、片岡明幸・県連委員長、水嶋輝彦・埼葛市協議会議長など90人が参加した。
糾弾会で県連は、発言者Fにたいして、①同和問題について、いつ、誰から、どのように聞いていたのか②これまで部落をどのように見ていたのか③なぜ雑貨店に行って、このような発言をしたのか、の3点を問い糾した。
Fは、「17歳のとき、蓮田市黒浜に住む先輩から同和の人は、牛を殺したりしているから、その周りには近寄らない方がいいと聞いた。怖い連中だというイメージを持っていた」と語った。また、「「ちょうりっぺ」という言葉もこのとき聞いた」と答えた。
参加者から、「1回聞いただけで、4本指を出したり「ちょうりっぺ」などと発言するとは思えない」と糾すと、Fは、「ペンキの仕事や釣りに行ったとき、そういう話が出た。飲み屋でも聞いた」とのべ、仕事先でも「近所に同和がいるので、くれぐれもペンキで汚さないようにといわれたことが2件ほどあった」と語った。
またFは、部落にたいする認識を、「朝鮮から日本に流れてきて、日本語をならった人たちで、自分たちとはどっか違う、おっかない人たちだと思っていた」とのべ、部落にたいする偏見を正直に吐露した。またFは、「そういう認識が全然間違っているとは思わなかった」とも語り、偏見の根強さを示した。
発言の動機についてFは、「仕事が減ったり、弟とケンカしたりで面白くなかったので酒を飲んで雑貨店に行き、飲んだ勢いで憂さ晴らしでいった」と話し、いまは「行政の指導を受け、ビデオを見て、重大な間違いだったとわかった。どうもすいませんでした。反省しています」と謝罪した。
県連は、市長と教育長にたいして、次回までにこの事件にたいする見解を文章で提出するよう要請した。
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