pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張
熊谷簡易裁判所へ事件通知
土地家屋調査士の戸籍不正取得で
「解放新聞」(2007.08.06-2330)
 【埼玉支局】比企郡小川町の土地家屋調査士が職務上請求書で戸籍謄本や住民票を不正に取得した事件(本紙2326号既報)で、比企郡吉見町(新井保美・町長)は6月22日、町長名で熊谷簡易裁判所に「戸籍謄本及び住民票の不正取得の事実が判明した」と過料事件の通知をおこなった。過料は、刑罰ではないが法を守らなかったものに制裁として科す金銭罰で、簡易裁判所が決定し、本人に納付するよう通知する。

信頼裏切る行為と吉見町が

 この土地家屋調査士事件は、2月に吉見町在住のAさんから「自分の戸籍謄本や住民票が知らない間に取られているようだ」と情報開示請求があったために、吉見町が調査したところ、比企郡小川町のKが土地家屋調査士会の請求書を使ってAさんの戸籍謄本1通と住民票2通を取っていたことが判明した。
  その後、Kから事情聴取したが、納得できる説明が得られなかったので、不正取得事件として埼玉県警や弁護士と処罰のあり方を検討。当初は、窓口の職員を欺いて戸籍や住民票を取得したことから詐欺罪の適応も検討したが、起訴することは困難との判断から「戸籍法及び住民基本台帳法」違反で簡易裁判所に申し立てることになった。
  戸籍法では、「偽りその他不正な手段により戸籍謄本の交付を受けた者は過料に処する」とあり、過料を科すことができるのは簡易裁判所であるために、この日に吉見町が熊谷簡易裁判所に不正取得の事実を通告し、過料を科すよう求めたもの。
  吉見町の新井町長は、「戸籍は町民の重要な情報であり、それを預かっている町としては、町民のプライバシーを守る義務がある」と遺憾の意をあらわし、「土地家屋調査士など8士業が職務上請求書を使って請求できるのは、「8士業は不正をおこなわない」と考えられているからだが、それを逆手にとって個人の身元を調べるために職務上請求書を悪用したことは信頼を裏切る行為である。まして昨年来、戸籍について法改正がおこなわれるなど大きな問題になっている最中の不正行為で、とんでもないことだ」とのべ、不正行為にたいしては法に照らして厳しく対処する姿勢を示した。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)