「解放新聞」(2008.05.05-2368)
【滋賀支局】役場宿直室に男性から「○○は同和地区か」と問い合わせた事件(2342号既報)の「愛荘町役場への東近江市民による電話での同和地区問い合わせ差別事件真相報告集会」を3月25日、愛荘町立ハーティーセンター秦荘でひらき、「同和地区を問い合わせることは差別である」をテーマに滋賀県をはじめとする行政関係者、住民ら700人が参加し、同和地区問い合わせや同和地区をかたることは重大な人権侵害であり差別事件であることを確認、今回の事件の真の解決に向けて、いっそうとりくみを強化していこうと訴えた。
東近江市行政は差別ではないと
報告集会では、事件発覚後、愛荘町、東近江市の合同による聞き取り調査をすすめていたが、その後、東近江市が「差別とはいえない」と見解を表明したことにたいして厳しい批判が集中した。
建部五郎・県連委員長と芝滝全弘・滋賀県県民文化生活部管理監が、「今回の差別事件にたいする東近江市行政の対応は問題がある。あらゆる差別を許さないとりくみを、さらに強化していく」と、それぞれが決意をのべた。
徳田幸子・愛荘町人権施策課課長、山中敏夫・滋賀県県民文化生活部人権施策推進課参事が、愛荘町・県行政の見解をそれぞれ報告し、今回の事件が部落差別事件であることを明らかにした。
九本千悟・県連書記次長は、「東近江市行政の見解は明らかに政治的な判断としか考えられない。率直に事実を見れば差別事件であることはだれでも理解されるはずである。同和地区問い合わせ・身元調査をストップさせる県民運動を地域や職場で強化していかなければならない」と訴えた。
講演では、「差別問い合わせを考える」と題して、北口末広・近畿大学教授が、「今回の事件は、明確に差別事件である。東近江市がおこなった本人への聞き取り調査はひじょうに甘い。また、回答もあいまいで問題解決にはいたっていない。差別事件の背景には見えない部分が多く存在しており、いかに見えない部分を深く掘り下げて根源的解決を図るかが解決の度合いを決定づける」と事件を分析し説明をした。
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