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見解

 

松本龍・前復興大臣の一連の言動について(見解)
部落解放同盟福岡県連合会

 すでに報道などでご承知のことと存じますが、松本龍・前復興大臣(当県連前委員長)の一連の言動について、関係者の皆様を深く傷つけたこと、多くの方々にご心配とご迷惑をおかけしたことに対し、心よりお詫び申し上げます。
  松本龍代議士は、昨年9月に環境大臣兼防災担当大臣に就任以来、日々の激務に加えて、困難な課題に誠意をもって取り組んできました。10月に日本でおこなわれた「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)では、ホスト国の議長として閉会直前の深夜まで努力し、困難といわれた「名古屋議定書」をとりまとめました。また12月にメキシコでおこなわれた「第16回気候変動枠組み条約締約国会議」(COP16)に続き、宮崎の新燃岳噴火による災害への対応、さらには熊本県関係者から「松本大臣だったからこそ一定の前進をみた」と評価された水俣病補償問題などに取り組み、めざましい活躍の姿をみせてくれました。そして3月11日、あの大震災が発生しました。彼は大臣として毎週被災地に入りながら閣僚としての任務を全うしていましたが、それまでの疲労、とりわけ心労の蓄積は限界を超え、その結果、「気分障害」(九州大学病院の発表)を誘発したようです。
  松本龍代議士の人となりを知る人たちにとってはまるで別人と思えるような発言に、私ども白身も驚きました。しかし、「躁(そう)状態」でのこととはいえ、彼の配慮に欠けた一連の言動は、地震や津波の被災者の皆様をはじめ、多くの方々にたいへん不快な思いをさせ、その心を傷つけてしまったことは事実です。そればかりか、復興のために力を尽くしてくださっている関係者の期待を裏切ることにもなりました。
  特に、「九州人だから語気が荒い」や「B型だから短絡的」の発言は、長い間、部落解放運動の指導者として活動してきた立場の人間として、決してあってはならない発言です。このような見方は「ステレオタイプ」のものの見方(事象の一部をとらえて全体を決めつけること)であり、予断と偏見の助長につながるからです。「B型だから…」の発言については、「血液型と性格や気質の関連づけ」は医学的にも、心理学的にも、また統計学の検証からも立証されていない、非科学的なものの見方です。このような見方は予断と偏見を助長するものとして、これまでの運動のなかで私どもが厳に戒めてきたことです。
  人権侵害をなくすための取り組みをしている当県連としては、この間の言動は看過できないものであるとうけとめております。今は本人が療養中のため面談できる状況ではありませんが、体調が回復し、話が交わせる条件が整った時点で、指摘をし、猛省を促す所存であります。
  多くの皆様方に、重ねて衷心よりお詫びをし、私どもの見解とさせていただきます。

 2011年7月15日

九大病院が発表した病状説明(2011年7月14日)
 松本龍氏は震災対策を行なうにあたって、心身ともに消耗し、不眠、生体リズムの失調などが重なり、気分障害が誘発された。気分障害は気分のバランスをとる機能が損なわれ、うつ状態、あるいはその逆のそう状能になる障害で、松本氏の場合は過度の覚醒状態から、気分の高揚状態、そして軽度の躁(そう)状能だったと思われます。ご本人もその精神的変化を自覚し、入院治療について了解され、決意されるに至っております。
  軽度の躁状態では、気分高揚に伴い、本人の本意とは違うことをつい口走ってしまうこと、普段なら決してしない行動をとってしまうことが多いのです。マスコミ等で報道された松本氏の報道のいくつかは、こうした精神状態と関連するものと判断されます。入院時は不眠、疲労感、気分高揚感などを主症状とした軽度の躁状態が認められましたが、現在は、それらの状態は軽快傾向にございます。以上です。

 

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