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部落問題資料室
部落解放同盟ガイド
見解

 

不当逮捕49年に当たり
裁判所は事実調べを
石川さんメッセージ

 

 不当逮捕49年に至って全国の支援者の皆さんにメッセージをお送りいたします。年頭の挨拶では今年中に「再審」実現の「勝利の年に」と記し、又その積もりで全精力を傾注し闘って参りましたが、先の10回目の三者協議に於いて、検察は19点の証拠は開示したものの、求めていた肝心な証拠は開示せず、然も有るべき筈の「血痕反応検査」の報告書や、犯行現場とされる雑木林の8ミリフィルムなども「不見当」との回答をくりかえしています。私が無実を訴えたのは、「死刑」判決後、半年位であり、本来なら、その様な重要な証拠は保全してしかるべきなのに、私が東京高裁で「無実」を訴えたことに因って、保管しておくことに危機感を覚え、その時点で「廃棄」処分にして終わったのではないかと思わざるをえません。しかし、2009年の門野裁判長の勧告は、「存在しないならその理由の説明をしなさい」と踏み込んで迫ったはずであり、検察側はそれに対していまだ明確な回答をしていません。弁護団は、検察側が提出してきた意見書に反論する専門家の意見書を提出するとのことであり、10月に予定されている11回目の三者協議を待たなければなりませんが、それによって、今後の展開は来春に持ち越されることも考えられます。
  これまで8項目の開示勧告の内5項目、50数点について証拠開示がされましたが、肝心の3項目については、何度迫っても「ない」の一点張りなので、今後も「ない」理由の説明や、弁護団の求める他の証拠開示も求めていきます。
  考えてみれば「殺害現場」が特定されないまま「有罪」が認定されていることになり、それらを究明するのが裁判所の職務の筈であります。また、あれ程沢山の無実を示す証拠が提出されているにも関わらず、「事実調べ」しないなど、「狭山事件」は、稀なだけでなく不公平な裁判経過といえるのではないでしょうか。
  「殺害現場」を裏付ける客観的証拠が「ない」ということ自体が私の無実を明らかにしていることを証明していると思われます。法廷を開き、事件当日、「犯行現場」の至近距離にいた農作業者をはじめ、「証人」尋問をすれば「白、黒」の決着をつけられるのにと裁判所の姿勢に問題を投げかけずにはおれません。私、石川一雄の心は閉ざされたまま50年、半世紀を迎えるのが濃厚な現実に直面し、心に重く感じるのは否定しませんが、これからも「無罪」の二文字を勝ち取るまでは不退転に闘って参る所存です。支援者皆さんには、何時も私を支えて頂いており、感謝しつつも、この第三次再審で決着をつけるためにも更なるご協力が不可欠ですので、なにとぞ何時にも増して後押しをしてくださいますよう、心からお願い申し上げて、不当逮捕49年に当たり、私の決意と皆さん方のご理解の上、一刻も早く潔白の「よき日」を迎えられますようお力添えを再度お願いして失礼いたします。
  2012年5月23日
石川一雄

 

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