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部落問題資料室
部落解放同盟ガイド
見解

 

石川一雄さん 新年メッセージ

 謹んで新春のお喜び申し上げます。
  例年の事乍ら昨年も全国の狭山支援者の皆々様には何かとご尽力を賜り、誠に有難うございました。一年の計は元旦に有りと言われているので、夫々皆様は心に秘めて新年の第一歩を踏み出されたことと思われますが、私自身昨年は、無罪判決まで漕ぎ着くには無理としても、再審開始決定は勝ち取れるものと確信のもと、全国各地へ支援・要請のお願いに精力的に取り組んで参っただけに、期待に反し、今年に持ち越してしまったことは、私は兎も角、支援して下さる皆様に対し、大変申し訳ない気持ちで一杯です。とはいえ、昨年は事件発生から50年という節目の年であり、マスコミ各社が独自の視点で物的証拠の不自然さや、検察の証拠隠しの不正義を報道して下さいました。
  一方、弁護団や、支援者の皆さんの証拠開示要請に、50年近く経って検察から開示された「手拭い」関係の証拠についての「改ざん」も明らかになりました。
  第三次再審請求も申し立から八年目に突入し、此の間裁判長も5人変わりましたが、弁護団から裁判所に提出された無実を明らかにする新証拠などを鑑みれば、いよいよ大詰めを迎えた感が強く、一月に開かれる三者協議、今後の新証拠提出と検察・弁護側双方の意見書の提出をふまえて、次の段階では事実調べの「有無」の判断が出される公算が大と推測されるだけに、今が如何に重大な時期にあるかを、皆々様にもご理解して頂き、今迄以上のご支援を賜りたく、声を大にして訴え、お願いするものであります。
  現在、私の置かれている立場上、過去の事を悔やめば指弾されそうですが、例えば、第二次再審段階までにおいて、「脅迫状」の「少時」の文字は万年筆で書かれたのか、ボールペンなのか科学的裏付け=事実調べの必要性を世論に訴えながらもっと強く迫るべきでした。第三次再審請求において、弁護団は封筒の科学的な分析の鑑定嘱託を申し立てており、今後強く訴えていきたいと思います。
  いずれにしても、弁護団の血のにじむようなご努力で、昨年だけでも寺尾裁判長の「確定判決」を完全に覆す「手拭い」関係などの決定的な無実の新証拠が出され、「自白」の虚偽が明らかにされています。
  昨年ドキュメンタリ映画「SAYAMA みえない手錠をはずすまで」も完成し、今各地で上映されていますが、大変好評で上映後に多くの人から「応援する」 「上映活動をしたい」との声も届けられ、狭山を多くの人に知って頂くことを願っている私たちにとって、元気も希望も頂いています。
  また、高裁前アピール行動も第16次となり、裁判所前でのアピール行動では手作りの幟旗、パネル等を作って下さったり、フェイスブックや、ネットで知ったという人たちも応援に駆け付けてくださり、新しい動きと波も起きています。
  楽観はできないまでも、確実に狭山の闘いは新しいうねりの中にあります。
  今年こそ再審を実現させるとともに、無罪判決を勝ち取る日まで不屈に闘って参る決意です。
  どうか皆様も前述のように切迫した状況下にありますので、さらなるご協力を下さいます様、心からお願い申し上げます。
  今年も皆様にとって佳き年でありますように念じつつ…。
  2014年1月1日
石川一雄
  全国の狭山支援者皆々様へ

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