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部落問題資料室
部落解放同盟ガイド
決議

 

憲法改悪を阻止し、部落解放・人権政策確立の闘いを強化する決議

 私たちは、部落解放・人権政策確立に向けた闘いをすすめてきた。とくに人権侵害救済制度の確立をめざして全力をあげたとりくみの成果として、不十分ながらも「人権委員会設置法案」がようやくにして閣議決定されたものの、衆議院解散-総選挙で廃案となった。私たちは、この闘いをきびしく総括し、あらためて運動の再構築とともに、人権と平和、民主主義の確立にむけた政治勢力の結集をめざしてとりくみをすすめることを確認してきた。
  今日、安倍政権は、「戦争のできる国」づくりのために、憲法改悪をすすめようとしている。昨年末には、あれほど多くの反対の声があがるなかで、「特定秘密保護法」を強行成立させ、今国会では、立憲主義を無視し、解釈改憲によって、集団的自衛権の行使を容認しようとしている。また、安倍政権は、経済成長戦略として景気回復を打ち出したが、一時的な株価高騰があったものの、円安進行による衣食料品や電気・ガス料金の値上がりなど、まさに私たちの生活を直撃している。しかも、軍事費を増大させる一方で、生活保護費の削減や労働法制の改悪などを強行している。さらに、原発再稼働や沖縄の普天間基地問題など、人権と平和の確立に逆行する政治が推しすすめられている。
  こうした国権主義、反人権主義による安倍政権のもとで、格差拡大社会はさらにすすみ、貧困や差別問題はより深刻化している。私たちは、いまこそ、困難な情況を打ち破り、人権侵害救済制度の実現に向け、中央実行委員会や都府県実行委員会を中心にとりくみをすすめよう。悪質な差別事件やヘイトスピーチなどのように人権侵害があとをたたない今日の実態をみれば、人権侵害救済制度の確立は急務の課題である。しかも、人権擁護推進審議会による国内人権機関の設置が答申されてから10年以上が経過したにもかかわらず、政府責任も政治責任も放棄したままである。さらに、この間の度重なる国連人権機関の勧告も無視している。
  人権政策の確立は党派をこえた重要な政治課題である。差別事件や人権侵害など、地域での差別の実態を広く訴え、連帯・協働の輪を拡げ、あらためて広範な闘いの体制を再構築していこう。
  私たちの長年にわたる部落差別撤廃に向けた闘いは、日本の人権政策確立に大きく貢献してきた。私たちは、いかにきびしい情況があろうとも、このとりくみこそが、人権確立社会の実現に向けた希望の闘いであることを確信し、反差別共同闘争の力を大きく結集し、人権侵害救済制度の確立をめざして、全力をあげて闘いをすすめよう。

 右 決議する。
2014年3月11日
                      部落解放同盟第71回全国大会

 

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