コラム
今週の1冊 第2760号/16.04.25

制度の元本は超監視社会に
「マイナンバー」が日本を壊す

斎藤 貴男 著 集英社/定価1100円

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 昨年のマイナンバーをめぐる喧嘩がウソであったかのように、メディアは報道しない。だが、実際には各地で、いまもトラブル続きなのがこのマイナンバーなのだ。長年、この問題を追ってきた斎藤貴男が、総まとめ的に書き上げたのがこの本。
  納税負担の公平性などというのは表向きの理由であり、この制度の眼目が超監視社会にあることを、事実を積み上げながら、説得力をもって示していく。いまや街中に張りめぐらされた監視カメラを利用し、顔認証システムと結合することで、どこに誰がいるかが特定される。これを「活用」するために、マイナンバーカードの申請・交付に顔認証システムが持ちこまれ、拒否するものにはカードを交付しない内規がある。
  これは、人間を見張る側と見張られる側に分断するものでもあり、貧困や格差などとともに、これまで以上に社会に分断が持ちこまれ、「異物」を排除する社会が進行する。そしてGPSと結合すれば、当該人物の現在地をいつでも権力者が把握できるようになる。時あたかも、今国会で刑事司法の改悪法が成立しようとしている。この成立阻止とともに、排除型社会を促進するこの制度にストップをかけるとりくみが必要だ。  (B)

 

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