コラム

荊冠旗 第2748号/16.01.25

 奥西勝さんが昨年10月亡くなった。八王子医療刑務所のなかでだった。第7次再審で開始決定を受けながら、最終的に最高裁の特別抗告棄却決定がおこなわれた
▼奥西さんは「名張毒ぶどう酒事件」の犯人として逮捕され、1審は無罪となったものの、2審で死刑となり確定した。いらい、獄のなかから無実を訴え続けてきた
▼しかし、再審段階でも、検察や裁判所は「自白」を偏重し、毒ぶどう酒に使われた農薬の問題や王冠を開けたときの歯型の問題などについての科学的な諸鑑定を無視し、棄却決定を出し続けてきた
▼これは、奥西さんがいなくなれば騒ぐ者はなくなる、という獄死策動そのものではないか
▼奥西さんは、さぞ、悔しかったろう。死去によって終わらされた第9次再審は、姉が第10次再審を申し立て受け継ぐ、との決意を示している
▼布川事件の杉山卓男さんが昨年10月亡くなった。狭山の集会では元気な姿を見せ、「証拠が隠され、再審も開始されないこのおかしな世の中で、闘いは困難だが、全証拠を開示させ、1日も早く石川さんの無罪を喜び合いたい」などとアピールを続けた
▼えん罪者のためにともに、という実践が未完のままの旅立ちは悔しかっただろう
▼こうしたえん罪の実態を無視し、警察、検察、裁判所の体質は、いまだに変わっていない。今国会で盗聴の拡大、公判段階での司法取引など「新たな捜査手法」の導入を急ぐ姿からも明らかだ。

 

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